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にじいろ。

第28章 生きることの意味、死ぬことの答え。

んっ……


目を開けると
既に朝になっていて。


雅紀「おはよ、かず」

和也「まーくん、寝てないの?」

雅紀「うん。ずっとかずの寝顔見てた」

和也「ばっ…」

馬鹿。何やってんだよ…


線香は絶やさず立てられていた。
だけど…

和也「ずっと、手、握ってくれてたの…?」

未だ握られたままの、二人の手。

雅紀「線香立てに行く時はね、そっと外して
戻ってきてまたそっと繋いで、ってしてた」

一晩中
俺の寝顔見ながら
手、繋いでてくれたんだ…
どおりで、夢見心地がいいはずだよ。


和也「今から寝て!」

雅紀「え?」

バッと飛び起きて
それまで自分が寝てた布団に
まーくんの身体を無理矢理沈めた。

あ…
なんか、押し倒してるみたいになっちゃった…


雅紀「ふふっ。まぁた顔紅くしてる」

和也「だっ…!」


まーくんの腕が
ふわりと俺を包む。

幸せ…
って、幸せ感じてる場合じゃないっ!


和也「葬儀屋さん来るまでまだ時間あるでしょ?
それまでちゃんと寝てよ。
じゃないと、まーくん倒れちゃう…」

雅紀「ありがと。じゃ、ちょっとだけ寝かせてもらおうかな。」

そのままゆっくり目を閉じる。
今度は俺が
まーくんの手をそっと握った。

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