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にじいろ。

第5章 傷痕と嫉妬の狭間で。

雅紀「ごめん…」

ハッと我に返ったように
俺に背を向けた


まーくん、泣いてる…?


雅紀「こんな事がしたいんじゃねぇんだよ…
そーじゃねぇんだよ…

ごめんな、かず…」


和也「…」


俺よりもずっと大きなまーくんの背中を
後ろから抱きしめることくらいしかできなかった



俺のせいでまーくんが苦しんでる
苛立ちの中でもがいてる

俺のせいで…




和也「俺、ここに来ない方が良かった…?」

雅紀「…違う!
違うんだよ…


嫉妬…なのかな……」



嫉妬…?



雅紀「男のくせにみっともないよな」

和也「そんなことない」


抱きしめた手をそっと離した


和也「こっち向いて?俺の顔見て」


まーくんの顔を見たら泣きそうになったけど
グッと堪えた


雅紀「かず…」

和也「…何?」










雅紀「お前の傷痕を消したい……」

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