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0時の鐘が鳴る前に

第1章 菜津子の部屋

「…疑ってごめん、菜津子。」

ぼーっと彼の背中を見送っていた私は、美奈ちゃんの声にハッと顔を上げる。

「う、ううん、分かってくれたらいいの!」

よ、よかった…

まだドキドキしている胸を抑えながら、カフェラテを飲む。

「ごめん美奈。いくら相談だからって、他の女とお茶なんてした俺が悪かった。」

「ううん…外から2人が見えて、何も考えずに怒鳴り込んじゃったの。私の方こそごめんなさい。
でも、これからは何か悩んだら私に直接言って?」


良かった、誤解が解けて。でも暫く、男子からの依頼断ろうかな……

「鎌田さん、なんかごめんね。俺ら帰るけど、ゆっくりしてってね。」
「今度、菜津子の話も聞かせてね♡」

そう言って、2人は仲良く手を繋いで帰って行った。

一人でカフェラテを飲みながら、だんだん冷静になってくる。

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