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0時の鐘が鳴る前に

第2章 100日間の恋人ごっこ

「じゃあさ!今日の放課後、みんなで見に行こうよ!」

美奈ちゃんの声がして、その場にいた女子は満場一致……

ひとり青ざめる私を他所に、話は決まってしまったようだ。

…今日、広末さんいませんように!

それから一日中、ずっとそう祈ってみたけど効果がある気はしない。

だって広末さんがいない日とか滅多にないし…

昨日約束をした鈴木くんに、2人でお茶して

彼女に誤解されたら嫌だと話をしたら、すんなり受け入れてくれた。

申し訳ないけど、菜津子の部屋は暫く男子禁制だ。

放課のチャイムが鳴って、みんな朝の約束を忘れていればいいのに…なんて願いも虚しく

「よし!なっこの彼氏見に行くぞー!」
「「「おーーー!」」」

誰かの掛け声にクラスの女子が楽しそうに返事をする始末。

本当に申し訳なく思いながら、今日も広末さんに彼氏を演じてもらうことにして、私たちはカフェに向かった。

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