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0時の鐘が鳴る前に

第2章 100日間の恋人ごっこ

*** 広末side ***

なんでこんなことになってんだ…?

俺は、昨日から何度目かのため息をつきながら、夕方のことを思い出していた。

* * *

『お前いつからカフェラテの子と付き合ってたの?』

女子高生の群れの前で彼氏を演じた後、

それを聞いていたバイト仲間の祐介に声をかけられる。

「いや、今も別に付き合ってねーよ」
「だよな!お前には杏里ちゃんいるもんな」

イタリアに語学留学している本物の俺の彼女…杏里とは、もう半年も会っていない。

そんな淋しさを紛らわそうと半年前に始めたカフェのバイト。

1週間に一回は必ず違う男と現れる「カフェラテの子」の存在は、バイト仲間の中で有名だった。

しかも毎回男に奢らせるんだからたちが悪い。

と思っていたら昨日、頭まで悪いことが判明。

『こ、この人!私の彼氏なの!』

咄嗟に腕を掴まれてそう言われた時、やばいと思った。

面倒に巻き込まれた。

…あんな大声で言い争いしてたから、ことの経緯は大体掴めたけど、彼女の自業自得としか思えない。

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