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0時の鐘が鳴る前に

第2章 100日間の恋人ごっこ

でもさらに面倒なのは、その場で彼氏のフリをしてしまう俺の性格だった。

…だって、あそこで「違います」って言ったらカフェラテの子はどうなるんだ?

もしかしたら、「友達の彼氏に手を出した奴」とか言われて学校で孤立するかもしれない。

冷静に考えたら、俺が心配してやる必要なんかないんだけど。

彼女の震える手と、助けを求める目を無視出来なかった。

杏里のことを思い浮かべながら、彼氏を演じる。

その場はなんとか丸く収まったようで、良い事したな〜なんて昨日は気楽に思っていた。

でもまさか、あんなに大勢の友達を引き連れて彼氏として紹介されるとは。

…やっぱこいつ、馬鹿だな。

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