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0時の鐘が鳴る前に

第3章 キラキラ、ふわふわ

*** 広末side ***

「あれ〜?カフェラテの子今日もいないんだ。浩太、嫌われたんじゃない?」

…祐介にそう言われると、本当にそんな気がしてくるから怖い。って、怖いってなんだよ。別にいいだろ、本当でも。

自分で自分にツッコミながら、お客様が帰った後のテーブルを拭く。

プラネタリウムデートを約束した日から4日。彼氏役に認定されてから1週間。

この半年間、平日はほぼ毎日来ていた彼女が、パタリと来なくなった。

や、別にどうでもいいんだけど。売り上げがちょっと下がるだけで。

でもお互いアドレスも知っているのに、自己紹介以来何も連絡のないケータイに、本当に俺は彼氏役なのか?なんて思ってしまう。

かといって、こっちから連絡するのも何か違う気がする。俺はあくまでカフェラテ女が必要とする時、役者になればいいだけの存在だ。

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