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0時の鐘が鳴る前に

第3章 キラキラ、ふわふわ

「広末さんこんにちは!まだ30分前ですよ?早いですね?」
「あ、あぁ…お前もな」

カフェラテ女は、全然姿を見せなかったのが嘘のようにごく自然に現れた。

「なんか良いことでもあったんですか?」
「…え?」

あ、髪巻いてる。…そっか、これデートだもんな。

「ニヤニヤしてたので」

あぁ杏里のこと考えてた、なんて素直に教えてやるほどの仲ではない。

「それよりなんで今週来なかったんだよ」

駅の改札口に向かって歩き出しながら話をそらす。

「だって、これ以上広末さんに迷惑かけるわけには…」

後ろから聞こえた声に振り向くと、彼女は申し訳なさそうに俯いていた。

…まあ、確かに普通そうだよな。杏里がいるのにカフェラテ女の彼氏役とか、迷惑な話だよな。でも…

「お前が来なくて売り上げ落ちる方が迷惑」
「…!」

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