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0時の鐘が鳴る前に

第3章 キラキラ、ふわふわ

*** 菜津子side ***

…す、凄い!

私は右手を包む大きな手の温もりを感じながら、思わずため息をついていた。

何これ?何のサービス?これがイケメンの余裕なの??

彼氏役は頼んだけど、こんなにノリノリでやってくれるなんて!誰も見てないのに!

も、もしかして広末さんも彼女出来なくて寂しかったとか…?

いやいや、こんなイケメンに限ってそれはないでしょ!

…でも彼女いたらこんなお願い断るよね?

やっぱり広末さんって良い人………!

そんな事を考えながら、久しぶりの水族館に足を踏み入れる。

土曜日のそこは、確かに手を繋いでいないとはぐれそうになるくらい人で溢れていた。

「あ!イルカのショーしてますよ!」
「…お前、はしゃぎすぎ」

そう言って笑う広末さんはやっぱり最高に格好良くて…

すれ違う女の子達の視線は、明らかにイルカじゃなくて彼を捉えている。

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