テキストサイズ

0時の鐘が鳴る前に

第3章 キラキラ、ふわふわ

こっそり買ったそれを鞄に忍ばせて、私たちはプラネタリウムを目指して歩く。

日差しは強いけど、風は涼しげで秋の訪れを感じる。

「風邪引くなよ」

思わずくしゃみをしていると、広末さんが鞄から取り出したパーカーを肩にかけてくれた。

こういうことサラッと出来るって、凄い。

「あ、ありがとうございます…!」

感激しながらパーカーを羽織ると、ふわっと広末さんのいい匂いがした。

…って私、変態みたい。

まるで広末さんに抱きしめられてるような、ふわふわした気分になりながら歩いていたら、あっという間に着いてしまった。

今度はお金払う…!と意気込んでチケット売り場について行き、無理やりお金を渡す。

初デートとか言うけど、私が付き合わせてるんだから奢ってもらう訳にはいかない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ