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0時の鐘が鳴る前に

第3章 キラキラ、ふわふわ

中に入るとカップルばかりで、私たちもあんな風に見えてるのかな…と少しドキドキしてしまう。

空いている席を見つけて座ると、館内の照明が落ちた。
水族館でのんびりしすぎて、上映時間ギリギリだったようだ。

小学校の遠足以来かなぁなんて思いながら、何気なく座席の手すりに手を置くと、

「〜〜っ?!すみません!」

先に置かれていた広末さんの手に重なってしまった。

な、何してるの私!…慌てて手を引くと、大きな手に引き戻されて指を絡められる。

「知りたくて来たんだろ?デートがどんなやつか。…だったら、こうしてろ」

横から聞こえてきた声に顔を向けると、思いの外近くに広末さんの顔があって反射的に背けてしまった。

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