和服男子に恋されて
第2章 アプローチ
「せ……先生……」
恥ずかしさと緊張のあまり、離れて欲しいと伝えたいのだが声にならない。
そんな弥子を知ってか知らずか、龍一は右手で弥子の頭を優しく撫でると。
急に眼鏡を外した。
そしてそのままローテーブルの上に置いたかと思うと、弥子の耳元で囁く。
「弥子さん、私の事を好きになってください……じゃないと、無理矢理食べちゃいますよ?」
「えっ……」
その言葉にも、話した後龍一の取った行動にも、弥子は驚いて息を飲むしかなかった。
何故なら龍一は弥子をお姫さま抱っこし、立ち上がると紳士的にニコリと微笑み。
「言ったでしょう? 我慢の限界だと」
そのままベッドへ弥子の体をゆっくりと降ろしたのだ。
仰向けに寝かされた弥子はすぐに起き上がろうとするも、龍一が覆い被さってきたことにより身動きが取れなかった。