和服男子に恋されて
第2章 アプローチ
龍一の言葉の意味が分からず、口をぽかんと開く。
(味見……? って、何を……?)
しかし、さっきから龍一が真剣な眼差しで自分の唇を見つめている事に気づき、だんだんと嫌な予感を込み上げさせる。
その予感が的中しようとは、龍一の言葉を聞くまで分からなかった。
「知ってました? 今まで何度も私は弥子さんを襲おうと思っていたんですよ? こうして……ずっと弥子さんの唇を美味しそうだと思っていたんです」
「先生、待ってください……」
龍一の顔がだんだん自身の顔へ近づいてくると、咄嗟に弥子は龍一を止めようとしたが、その言葉も龍一の甘い口付けに飲み込まれてしまう。