和服男子に恋されて
第2章 アプローチ
(手を出したい……? 先生が、私に……?)
そう不思議になっていると、また龍一の顔がだんだん顔の方へ近づいてくる。
「弥子さんのココも、ココも……全部触れたい……」
「っ……う……」
今度は額や頬へ口付けられ、思わず声が漏れた。
そのまるで拒む隙も与えないような口付けに驚いていると、そのまま龍一の唇は弥子の耳元へ近づいていく。
「ダメだと言われても止めませんよ?」
「先生、ダメです……そこは……」
耳元で囁かれる声にピクンと反応してしまう。
龍一の和服の胸元を押さえていた筈が、いつの間にかきつく両手で握りしめ、両目を閉じながら身を捩らせる。
「あなたに好きになって貰えるまで、こうして毎晩愛するというのはどうですか?」
暗闇の中聞こえてきた声に、いつしか弥子は翻弄されていた。