和服男子に恋されて
第2章 アプローチ
(した……? って、舌……?)
まさか自分の口内へ侵入してきたものが龍一の舌だったとは、気付くと同時に意識を失いそうになる。
今まで一度も男性と付き合ったことさえなく、そういう事にも全く興味のなかったせいだろうが、弥子にとってはキスすら未知だった。
そんな弥子にディープキスなど、到底理解し難い事で。
「せ、せんせい……」
混乱する頭のまま、更に龍一の顔が再び降りてくると、怖いものでも目の前にしたかのようにギュッと両目を閉じる。
「っ、ん……」
唇が重なり合うとまた侵入してきた舌と同じく、言われた通り動かすべきなのか、そんな考えだけが頭に過る。
暫くの間は龍一の舌に翻弄されつつ、ただリードされるがままの時間が過ぎた。