
涙色*遠恋
第5章 『愛しい人』
『店の玄関でいいかしら?』
『はい。お忙しいのにすみません。』
すると女将が従業員の1人を、
呼び止めて、
『貴方お仕事中ごめんなさい。
シャッター押して下さる?』
と、頼んでくれた。
『お仕事中すみません。』
と、俺もお礼を言った。
『ああ、いいですよ。』
俺は女将を真ん中にして、
記念に1枚写真を撮って貰った。
『有り難うございました。』
『彼女さん、
ごめんなさいね。こんな、
おばさんが一緒に写真に、
収まって。』
『いえ、そんな。
嬉しいですよ。ほんとに
有り難うございます。』
『ほんとに有り難うございました。
じゃあ俺達これで失礼します。
また絶対いつか来ますね♪』
『有り難うございます。
とても素敵な温泉でした。
また来ますね♪』
『私も素敵な想い出が、
出来ましたよ♪
気を付けてお帰り下さい。』
『……はい!……
有り難うございました。』
こうして俺と結奈は、
旅館を後にした。
