10年愛
第1章 『初恋』
それから放課後ともなると、
連日私の席の回りにはクラスの女子、
ほとんどが私の席を取り囲んで居た。
勿論お目当ては私!!
……では無く。笑っ……
……彼……
……早瀬拓哉くん……
が、お目当てだ。
『……凄ッ……
華恋ちゃん凄いね。
華恋ちゃんの回り。笑っ』
『あたしじゃ無くてお目当ては、
早瀬くんだけどね。笑っ
未来ちゃん、帰ろ?』
『うん!華恋ちゃん♪』
『じゃあ皆さん。
ご機嫌よう♪』
私は技ととぼけてみせた。
『アハハ♪何それ、
華恋ちゃん。笑っ』
『んー?なんだろ。笑っ
未来ちゃん、帰ろ♪』
私と未来ちゃんは、
教室を後にした。
……彼の事なんか……
興味無いふりをして。
……ほんとは私も……
彼に興味アリアリの癖に。
……彼と……
もっと話したいくせに私は、
強がって見せた。