素晴らしき世界
第15章 それはやっぱりあなたでした
風呂を済ませて、
寝室に入ると布団で潤は寝ていた。
二宮さんが使っていた布団で……
俺は起こさないようにベッドに入る。
あれからどんな人なのか
根掘り葉掘り聞いてやった。
その度に顔を真っ赤にして
答える潤が面白かった。
それと同時に羨ましかった。
好きな人がいて、
その人に会いに行ける。
俺には出来ないから……
俺に頼むくらいだから、
きっと本気で好きなんだと思う。
だからこそ、後悔してほしくない。
『頑張れよ……潤』
俺は心の中で呟いた。
次の日、潤に案内され定食屋に向かう。
「ここかぁ……」
潤「知ってるの?」
「いや……昨日たまたま
目に入ったんだよ……」
着いたのは『松岡食堂』という
ご飯処だった。
「店閉めてたらしいんだけど、
今週から再開したらしいんだ」
潤がガラガラっとガラス戸を開けて
暖簾を潜った。
「いらっしゃーい」
厨房から顔を覗かせているのは
店の亭主らしき人。
席の案内を待っていると
「ほら、ボーッとしてないで
テキトーに座って」
濡れた手をエプロンで拭きがら
厨房から出てきた。
「おい、お客さん来たから降りてこい!」
階段を数段登り、
上にある部屋に向かい声をかけた。
この店、大丈夫か?
真っ昼間の土曜日に客はいない。
亭主の見た目はガサツっぽくて、
この人に料理なんて出来るのだろうか……
すると階段を凄い勢いで
駆け降りてくる音が聞こえた。
「えっ?客なんて来るの?」
亭主も亭主なら、
バイト?っぽいヤツも
真面目なはずないよな……
「テメー、失礼なこと言うな!」
亭主がおもいっきり頭を叩いた。
「イッテー」
「さっさと注文、聞いてこい!」
頭を擦りながら、俺たちを見ると
パッと表情が変わった。
「潤、来てくれたんだ!」
俺たちが座っているテーブルに
駆け寄ってきた。
「はい、雅紀さん」
嬉しそうに返事をする潤。
ウソだろ……
まさか、潤の好きな人ってコイツなのか?
茶髪で、ダメージジーンズを
腰パンで履いて、耳にはピアス。
爽やかだが、何だか遊んでそうだな……
ダメだダメだ!
こんなやつ、絶対に認めーん!!!
潤「あっ、紹介するね!俺の兄貴」
「どうも……」
自分でもビックリするくらい
不機嫌な低い声で挨拶をした。
寝室に入ると布団で潤は寝ていた。
二宮さんが使っていた布団で……
俺は起こさないようにベッドに入る。
あれからどんな人なのか
根掘り葉掘り聞いてやった。
その度に顔を真っ赤にして
答える潤が面白かった。
それと同時に羨ましかった。
好きな人がいて、
その人に会いに行ける。
俺には出来ないから……
俺に頼むくらいだから、
きっと本気で好きなんだと思う。
だからこそ、後悔してほしくない。
『頑張れよ……潤』
俺は心の中で呟いた。
次の日、潤に案内され定食屋に向かう。
「ここかぁ……」
潤「知ってるの?」
「いや……昨日たまたま
目に入ったんだよ……」
着いたのは『松岡食堂』という
ご飯処だった。
「店閉めてたらしいんだけど、
今週から再開したらしいんだ」
潤がガラガラっとガラス戸を開けて
暖簾を潜った。
「いらっしゃーい」
厨房から顔を覗かせているのは
店の亭主らしき人。
席の案内を待っていると
「ほら、ボーッとしてないで
テキトーに座って」
濡れた手をエプロンで拭きがら
厨房から出てきた。
「おい、お客さん来たから降りてこい!」
階段を数段登り、
上にある部屋に向かい声をかけた。
この店、大丈夫か?
真っ昼間の土曜日に客はいない。
亭主の見た目はガサツっぽくて、
この人に料理なんて出来るのだろうか……
すると階段を凄い勢いで
駆け降りてくる音が聞こえた。
「えっ?客なんて来るの?」
亭主も亭主なら、
バイト?っぽいヤツも
真面目なはずないよな……
「テメー、失礼なこと言うな!」
亭主がおもいっきり頭を叩いた。
「イッテー」
「さっさと注文、聞いてこい!」
頭を擦りながら、俺たちを見ると
パッと表情が変わった。
「潤、来てくれたんだ!」
俺たちが座っているテーブルに
駆け寄ってきた。
「はい、雅紀さん」
嬉しそうに返事をする潤。
ウソだろ……
まさか、潤の好きな人ってコイツなのか?
茶髪で、ダメージジーンズを
腰パンで履いて、耳にはピアス。
爽やかだが、何だか遊んでそうだな……
ダメだダメだ!
こんなやつ、絶対に認めーん!!!
潤「あっ、紹介するね!俺の兄貴」
「どうも……」
自分でもビックリするくらい
不機嫌な低い声で挨拶をした。