
素晴らしき世界
第15章 それはやっぱりあなたでした
【二宮side】
重い瞼を上げると、
前まで見慣れていた天井が目に映る。
でも、ここはもう俺の家じゃない。
どうしてここにいるんだ?
昨日、大野さんの家で
雅紀と潤と一緒に飲んでて……
途中で寝ちゃったんだろうな。
「イタッ……」
重い身体をベッドから起こすと
頭にズキっと痛みが走る。
「飲み過ぎたな……」
身体は二日酔いでダルいはずなのに、
気分はスッキリとしていた。
今日はいつもの夢を見なかった。
でも、いつも朝起きた後に感じる
寂しさは襲ってこない。
むしろ心が温かい何かに
包まれているようだった。
懐かしいからかな……
昨日、大野さんの家に
案内されたときは驚いた。
そこは数か月前まで
俺が住んでいた家だった。
部屋の内装もあんまり変わってなくて……
家具など住んでた時と同じ。
「これもそのままなんだ……」
ベッドサイドチェストを眺める。
結構、気に入ってたんだよな……
俺は立ち上がりリビングに向かう。
ドアを開けるとソファーで寝ている
大野さんの姿が見えた。
ゆっくりと近づくが、
熟睡していて俺の気配には気づかない。
ふと足元に目をやると
ブランケットが落ちていた。
俺はそれを拾い、起こさないように
そっと大野さんの身体にかけた。
大「……さん」
誰かの名前を呼んだ。
胸がギュッと締め付けられた。
……どうして?
自分の感情のの変化を
頭で理解することが出来ない。
そして、身体の変化にも戸惑った。
勝手に涙が零れ落ちる。
大野さんが起きたらマズい……
落ち着かなきゃ……
大野さんに背を向けようとした瞬間、
腕を掴まれた。
「大野さん?」
大野さんは起き上がり
何も言わず寂しげに俺を見ている。
その顔に何故だか見覚えがあった。
また胸が締め付けられる。
そのまま腕を引っ張ったので
大野さんの胸に吸い寄せられる。
俺は動くことが出来なかった。
そして、ギュッと抱きしめられた。
大「………いで」
「えっ?」
大野さんの顔を見上げると
目から一筋の涙が頬を伝った。
大「どこにも行かないで」
「どこにも行かない、
ずっとあなたの……」
俺は口を押えた。
どうしてこんなことを言うの?
けど、言葉が勝手に溢れ出た。
大野さん……
あなたは一体誰を想っているの?
重い瞼を上げると、
前まで見慣れていた天井が目に映る。
でも、ここはもう俺の家じゃない。
どうしてここにいるんだ?
昨日、大野さんの家で
雅紀と潤と一緒に飲んでて……
途中で寝ちゃったんだろうな。
「イタッ……」
重い身体をベッドから起こすと
頭にズキっと痛みが走る。
「飲み過ぎたな……」
身体は二日酔いでダルいはずなのに、
気分はスッキリとしていた。
今日はいつもの夢を見なかった。
でも、いつも朝起きた後に感じる
寂しさは襲ってこない。
むしろ心が温かい何かに
包まれているようだった。
懐かしいからかな……
昨日、大野さんの家に
案内されたときは驚いた。
そこは数か月前まで
俺が住んでいた家だった。
部屋の内装もあんまり変わってなくて……
家具など住んでた時と同じ。
「これもそのままなんだ……」
ベッドサイドチェストを眺める。
結構、気に入ってたんだよな……
俺は立ち上がりリビングに向かう。
ドアを開けるとソファーで寝ている
大野さんの姿が見えた。
ゆっくりと近づくが、
熟睡していて俺の気配には気づかない。
ふと足元に目をやると
ブランケットが落ちていた。
俺はそれを拾い、起こさないように
そっと大野さんの身体にかけた。
大「……さん」
誰かの名前を呼んだ。
胸がギュッと締め付けられた。
……どうして?
自分の感情のの変化を
頭で理解することが出来ない。
そして、身体の変化にも戸惑った。
勝手に涙が零れ落ちる。
大野さんが起きたらマズい……
落ち着かなきゃ……
大野さんに背を向けようとした瞬間、
腕を掴まれた。
「大野さん?」
大野さんは起き上がり
何も言わず寂しげに俺を見ている。
その顔に何故だか見覚えがあった。
また胸が締め付けられる。
そのまま腕を引っ張ったので
大野さんの胸に吸い寄せられる。
俺は動くことが出来なかった。
そして、ギュッと抱きしめられた。
大「………いで」
「えっ?」
大野さんの顔を見上げると
目から一筋の涙が頬を伝った。
大「どこにも行かないで」
「どこにも行かない、
ずっとあなたの……」
俺は口を押えた。
どうしてこんなことを言うの?
けど、言葉が勝手に溢れ出た。
大野さん……
あなたは一体誰を想っているの?
