素晴らしき世界
第18章 What is the most stupid thing?
「私ばっかり、好きみたい」
この言葉を何回……
そして何人から聞いただろう。
でも毎回その言葉に間違いはないので、
否定はしない。
涙を浮かべ、傷ついた顔を俺に向ける。
俺にどうして欲しいんだよ……
「もういい……さようなら」
勝手に話を完結させて
俺の元から去っていく。
『好きです、付き合ってください』
そう言われたので『いいよ』と
返事して付き合った。
俺、言った?
アンタのことが『好き』だって。
なのに、勝手に『好き』を
求めないでくれよ……
そりゃ男だからすることはするけど、
そこに『好き』の気持ちはない。
でも、アンタもそれで満足してただろ?
それでいいじゃん……
嘘の言葉で満たされたって、
アンタも虚しいだけだろ?
俺はあの日以来、
『好き』という言葉を口にはしていない。
『好き』って言葉を安易に使うと、
あの日の言葉まで嘘になる気がしたから。
俺はスマホを取り出し、1件連絡先を消去。
電話帳を開く度に思い出す。
最初に表示されていた人の名前はもうない。
引っ越ししてすぐ、携帯を解約した。
新しい電話番号は相葉くんだけでなく、
誰にも教えなかった。
潤を除いては……
何も言わなくても
潤は俺が教えた理由を理解してくれた。
頻繁ではなかったけど、
相葉くんと一緒に映ってる写真と
近況をメールでくれた。
その写真は毎回、目尻に皺を寄せ、
カメラに笑顔を向ける相葉くんの姿。
良かった……幸せそうじゃん。
それだけで俺の心も満たされた。
けど、相葉くんの卒業と同時に
その連絡は途絶えた。
大学に進学したという情報が最後だった。
そして何も無いまま時間だけは流れ、
気がついたら社会人2年目。
相葉くんへの気持ちだけは、
あの日のまま……何も変わらなかった。
そんなある日、潤から初めてLINEが入った。
【みんなで集まるから、お前もどう?】
もう、メールは時代遅れか……
なんて思いつつ、【行きたい】と返事した。
連絡手段の変化と共に、
止まっていた相葉くんの情報が自分の目で
更新される日はすぐそこまで来ていた。
この言葉を何回……
そして何人から聞いただろう。
でも毎回その言葉に間違いはないので、
否定はしない。
涙を浮かべ、傷ついた顔を俺に向ける。
俺にどうして欲しいんだよ……
「もういい……さようなら」
勝手に話を完結させて
俺の元から去っていく。
『好きです、付き合ってください』
そう言われたので『いいよ』と
返事して付き合った。
俺、言った?
アンタのことが『好き』だって。
なのに、勝手に『好き』を
求めないでくれよ……
そりゃ男だからすることはするけど、
そこに『好き』の気持ちはない。
でも、アンタもそれで満足してただろ?
それでいいじゃん……
嘘の言葉で満たされたって、
アンタも虚しいだけだろ?
俺はあの日以来、
『好き』という言葉を口にはしていない。
『好き』って言葉を安易に使うと、
あの日の言葉まで嘘になる気がしたから。
俺はスマホを取り出し、1件連絡先を消去。
電話帳を開く度に思い出す。
最初に表示されていた人の名前はもうない。
引っ越ししてすぐ、携帯を解約した。
新しい電話番号は相葉くんだけでなく、
誰にも教えなかった。
潤を除いては……
何も言わなくても
潤は俺が教えた理由を理解してくれた。
頻繁ではなかったけど、
相葉くんと一緒に映ってる写真と
近況をメールでくれた。
その写真は毎回、目尻に皺を寄せ、
カメラに笑顔を向ける相葉くんの姿。
良かった……幸せそうじゃん。
それだけで俺の心も満たされた。
けど、相葉くんの卒業と同時に
その連絡は途絶えた。
大学に進学したという情報が最後だった。
そして何も無いまま時間だけは流れ、
気がついたら社会人2年目。
相葉くんへの気持ちだけは、
あの日のまま……何も変わらなかった。
そんなある日、潤から初めてLINEが入った。
【みんなで集まるから、お前もどう?】
もう、メールは時代遅れか……
なんて思いつつ、【行きたい】と返事した。
連絡手段の変化と共に、
止まっていた相葉くんの情報が自分の目で
更新される日はすぐそこまで来ていた。