
素晴らしき世界
第18章 What is the most stupid thing?
「こらー、かずになにしてるー!」
「やばっ、あいばがきた!にげるぞー!」
「ひくっ…うっ…まーくん」
「もう、なくな?
おれがいるからだいじょうぶ」
「うん……」
「かず、あしケガしてるじゃん。
ほら、おぶってやるからのれよ?」
「ありがとう、まーくん」
懐かしいな……
いい思い出ばかりじゃないけど……
小学生の時、
大人しい俺はイジメられていた。
そんな俺をいつも相葉くんが助けてくれた。
泣いている俺をいつもおんぶして
家まで送ってくれた。
心地いい振動を感じながら
俺より大きな背中に身体を預ける。
少し早い相葉くんの心臓の鼓動が、
俺を安心させてくれる。
ほんと俺、おかしいよね?
久しぶりの再会で懐かしかったからって、
ここまで振り返る事ないのに……
でも、いっか……
妙にリアルに感じるあの時と同じ
相葉くんの背中の体温を胸に感じながら
首に回していた腕に少しだけ力を込めた。
しばらくすると、
背中全体ががフワッとしたものに当たって
胸に感じていた温かさがなくなった。
どうしても、
その温かさを離したくなくて……
手を伸ばすと布みたいなものが指に触れ、
縋るようにギュッとそれを掴んだ。
「離れないで……」
俺の言葉に応えるように
フワッと髪を撫でられた。
その感覚は少し前に感じたものと同じ。
すると少しだけ背中が沈んだ気がした。
「かず、おいで」
また、懐かしい声が聞こえた。
1人で遊んでいた俺を、
明るい元気な声で誘ってくれた相葉くん。
同じ言葉だけど、
その時とは声色が違っていて……
でも、あの時と同じように
俺の手を引っ張って導いてくれた。
そしてまた、胸に同じ温かさを感じた。
でも、さっきと少しだけ感覚が違う。
身体が何かに優しく包まれているような……
懐かしかったり、以前とは違っていたりと
不思議な感覚なのに俺を安心させる。
夢ってこんなもんだろうな……
「おやすみ、かず」
優しい声と額に何かが触れた感覚と共に
俺の夢は終わりを告げた。
「やばっ、あいばがきた!にげるぞー!」
「ひくっ…うっ…まーくん」
「もう、なくな?
おれがいるからだいじょうぶ」
「うん……」
「かず、あしケガしてるじゃん。
ほら、おぶってやるからのれよ?」
「ありがとう、まーくん」
懐かしいな……
いい思い出ばかりじゃないけど……
小学生の時、
大人しい俺はイジメられていた。
そんな俺をいつも相葉くんが助けてくれた。
泣いている俺をいつもおんぶして
家まで送ってくれた。
心地いい振動を感じながら
俺より大きな背中に身体を預ける。
少し早い相葉くんの心臓の鼓動が、
俺を安心させてくれる。
ほんと俺、おかしいよね?
久しぶりの再会で懐かしかったからって、
ここまで振り返る事ないのに……
でも、いっか……
妙にリアルに感じるあの時と同じ
相葉くんの背中の体温を胸に感じながら
首に回していた腕に少しだけ力を込めた。
しばらくすると、
背中全体ががフワッとしたものに当たって
胸に感じていた温かさがなくなった。
どうしても、
その温かさを離したくなくて……
手を伸ばすと布みたいなものが指に触れ、
縋るようにギュッとそれを掴んだ。
「離れないで……」
俺の言葉に応えるように
フワッと髪を撫でられた。
その感覚は少し前に感じたものと同じ。
すると少しだけ背中が沈んだ気がした。
「かず、おいで」
また、懐かしい声が聞こえた。
1人で遊んでいた俺を、
明るい元気な声で誘ってくれた相葉くん。
同じ言葉だけど、
その時とは声色が違っていて……
でも、あの時と同じように
俺の手を引っ張って導いてくれた。
そしてまた、胸に同じ温かさを感じた。
でも、さっきと少しだけ感覚が違う。
身体が何かに優しく包まれているような……
懐かしかったり、以前とは違っていたりと
不思議な感覚なのに俺を安心させる。
夢ってこんなもんだろうな……
「おやすみ、かず」
優しい声と額に何かが触れた感覚と共に
俺の夢は終わりを告げた。
