
素晴らしき世界
第18章 What is the most stupid thing?
「ほら、早く座って」
相葉くんが俺を呼ぶ。
バレないように深呼吸して
器が置かれている場所に座った。
「いただきます」
パチンと手を合わせた後、
中華粥をレンゲで掬い、口へと運ぶ。
相葉くんの家の中華屋さんで
こうやって向かい合ってご飯を食べてた。
ピリッと辛い麻婆豆腐を2人、
汗をかきながら……
「どう、美味しい?」
「うん、美味しい」
相葉くんの性格と一緒で優しい味がした。
「よかった。おかわりあるからね?」
「ありがとう」
これは相葉くんだけが言えるセリフ。
小食でおかわりとは無縁の俺だけど
相葉くんと一緒に食べる時だけは
おかわりしてた。
相葉家の中華料理のおかわりは俺の鉄板。
懐かしいな……
あの時と変わらない俺たち。
高校時代に止まっていた
2人で過ごす時間が再び動き出した。
でも嬉しい事に思えたのは一瞬。
止まっていたのは俺だけで、
相葉くんは前に進んでいたんだね?
「汗かいたから、風呂入ってくる。
適当に漫画でも見て休んでて?」
「ごめんね、気を遣わせて」
俺の言葉にニコッと笑って首を振った。
また鼓動が煩くなる。
まだ相葉くんのことが好きなんだって、
至る所で実感してしまう。
相葉くんはどうなんだろう……
バカだな、俺。
ありもしない期待を抱くなんて……
あの頃と同じ優しさを向けられると
どうしても勘違いしそうになる。
そんな筈はない。
それは一番、俺が望まないことだろ?
だから俺は相葉くんから離れたんだろ?
それに相葉くんの指には……
考えたって堂々巡り。
気を紛らわせるため
漫画が並んでいる小さな本棚に向かう。
俺の身長より少し低い本棚に並んでいる
漫画に手を伸ばそうとした瞬間、
倒れている写真立てが目に入った。
ほら、勘違いだろ?
心の中の俺が容赦なく問いかける。
相葉くんはいつだって、誰にだって優しい。
幼馴染の俺は他の友達に比べたら
上かもしれない。
けど相葉くんが一番優しくするのは、
写真に写る彼女なんだ……
相葉くんが俺を呼ぶ。
バレないように深呼吸して
器が置かれている場所に座った。
「いただきます」
パチンと手を合わせた後、
中華粥をレンゲで掬い、口へと運ぶ。
相葉くんの家の中華屋さんで
こうやって向かい合ってご飯を食べてた。
ピリッと辛い麻婆豆腐を2人、
汗をかきながら……
「どう、美味しい?」
「うん、美味しい」
相葉くんの性格と一緒で優しい味がした。
「よかった。おかわりあるからね?」
「ありがとう」
これは相葉くんだけが言えるセリフ。
小食でおかわりとは無縁の俺だけど
相葉くんと一緒に食べる時だけは
おかわりしてた。
相葉家の中華料理のおかわりは俺の鉄板。
懐かしいな……
あの時と変わらない俺たち。
高校時代に止まっていた
2人で過ごす時間が再び動き出した。
でも嬉しい事に思えたのは一瞬。
止まっていたのは俺だけで、
相葉くんは前に進んでいたんだね?
「汗かいたから、風呂入ってくる。
適当に漫画でも見て休んでて?」
「ごめんね、気を遣わせて」
俺の言葉にニコッと笑って首を振った。
また鼓動が煩くなる。
まだ相葉くんのことが好きなんだって、
至る所で実感してしまう。
相葉くんはどうなんだろう……
バカだな、俺。
ありもしない期待を抱くなんて……
あの頃と同じ優しさを向けられると
どうしても勘違いしそうになる。
そんな筈はない。
それは一番、俺が望まないことだろ?
だから俺は相葉くんから離れたんだろ?
それに相葉くんの指には……
考えたって堂々巡り。
気を紛らわせるため
漫画が並んでいる小さな本棚に向かう。
俺の身長より少し低い本棚に並んでいる
漫画に手を伸ばそうとした瞬間、
倒れている写真立てが目に入った。
ほら、勘違いだろ?
心の中の俺が容赦なく問いかける。
相葉くんはいつだって、誰にだって優しい。
幼馴染の俺は他の友達に比べたら
上かもしれない。
けど相葉くんが一番優しくするのは、
写真に写る彼女なんだ……
