素晴らしき世界
第18章 What is the most stupid thing?
強力粉を量り終わると、
残りの材料を入れ捏ね始めた。
「腕がヤバイっ……」
まーくんは隣で必死に鍋で温めながら
カスタードクリームを混ぜ続ける。
ちょっと覗くと、液状だったものが
クリーム状になって甘い香りが
かき混ぜる風に乗って鼻へ届いた。
「もう、いいんじゃない?」
「ホント?マジ、腕疲れたぁ」
二の腕を擦りながら答えるので
「お疲れ様、休んでていいよ?」
「ありがとう、かず」
そう言うと、俺の背後に回って
お腹に手を回すとギュッと抱きしめた。
「きゅ、休憩しないの?」
いきなりの出来事に動揺が言葉に表れる。
振りほどきたいけど、
生地を纏めている途中だから
手でまーくんを剥がすことも出来ない。
「俺にとってはこれが休憩。
かずを補充中なの」
「んっ…」
顎を俺の肩に乗せ、耳元で話すから
吐息がかかり口から恥ずかしい声を漏らす。
「耳まで真っ赤にしてどうしたの?」
嬉しそうに俺の顔を覗き込んでくる。
わかってる癖に……
さっきまで俺が優位だったのに
いつの間にか形勢逆転。
まーくんに翻弄されている。
でも、ここで流されたら
クリームパン作れないからな……
「うっ…」
俺は少し身体を動かし、
脇腹に軽くエルボーをお見舞いした。
その場にしゃがみこみ蹲るまーくん。
「ごめん……痛かった?大丈夫?」
手を止めて、
俺もまーくんの前にしゃがみ込んだ。
「大丈夫じゃない……」
苦しそうな声で答えるまーくん。
「えっ?どっ、どうしよう……」
シップかな?
タオルで冷やした方がいい?
あっ、その前にベッドで休んだ方が……
辺りをキョロキョロ見渡していたら
「かず、治して?」
予想外の言葉にまーくんを見ると
にっこり笑いながら顔が近づき、
リップ音がキッチンに響く。
「…っ、ばかー!」
俺はスッと立ち上り、生地を捏ね始めた。
「嘘ついて、ごめんね……
でも、マジ痛かったから」
そう言ってまた俺を後ろから抱きしめる。
「いい?」
嘘ついた罰だから……
「かっ、勝手にしろ!」
嬉しいだなんて言ってやらないからな。
残りの材料を入れ捏ね始めた。
「腕がヤバイっ……」
まーくんは隣で必死に鍋で温めながら
カスタードクリームを混ぜ続ける。
ちょっと覗くと、液状だったものが
クリーム状になって甘い香りが
かき混ぜる風に乗って鼻へ届いた。
「もう、いいんじゃない?」
「ホント?マジ、腕疲れたぁ」
二の腕を擦りながら答えるので
「お疲れ様、休んでていいよ?」
「ありがとう、かず」
そう言うと、俺の背後に回って
お腹に手を回すとギュッと抱きしめた。
「きゅ、休憩しないの?」
いきなりの出来事に動揺が言葉に表れる。
振りほどきたいけど、
生地を纏めている途中だから
手でまーくんを剥がすことも出来ない。
「俺にとってはこれが休憩。
かずを補充中なの」
「んっ…」
顎を俺の肩に乗せ、耳元で話すから
吐息がかかり口から恥ずかしい声を漏らす。
「耳まで真っ赤にしてどうしたの?」
嬉しそうに俺の顔を覗き込んでくる。
わかってる癖に……
さっきまで俺が優位だったのに
いつの間にか形勢逆転。
まーくんに翻弄されている。
でも、ここで流されたら
クリームパン作れないからな……
「うっ…」
俺は少し身体を動かし、
脇腹に軽くエルボーをお見舞いした。
その場にしゃがみこみ蹲るまーくん。
「ごめん……痛かった?大丈夫?」
手を止めて、
俺もまーくんの前にしゃがみ込んだ。
「大丈夫じゃない……」
苦しそうな声で答えるまーくん。
「えっ?どっ、どうしよう……」
シップかな?
タオルで冷やした方がいい?
あっ、その前にベッドで休んだ方が……
辺りをキョロキョロ見渡していたら
「かず、治して?」
予想外の言葉にまーくんを見ると
にっこり笑いながら顔が近づき、
リップ音がキッチンに響く。
「…っ、ばかー!」
俺はスッと立ち上り、生地を捏ね始めた。
「嘘ついて、ごめんね……
でも、マジ痛かったから」
そう言ってまた俺を後ろから抱きしめる。
「いい?」
嘘ついた罰だから……
「かっ、勝手にしろ!」
嬉しいだなんて言ってやらないからな。