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素晴らしき世界

第21章 嫌いの向こう側

「これから、どうしていく?」

俺の言葉で始まった『嵐会議』

何度も何度もみんなで話し合った。


大野君は相変わらずボーっとしているが
嵐のメインボーカルとして
欠かせない存在となっていた。

意見をいう事はないけど、
いざという時は自分の意思を述べる。

絵の才能も少しずつ世に出始めた。


翔くんは俺と一緒でどうにか嵐を
盛り上げたい、変えていきたいと
必死に将来について考え、
自分の意見を惜しみなく述べる。

そして、学業と仕事を
しっかり両立して大学を卒業。

インテリアイドルの先駆けとなった。


相葉君は翔くんや俺みたいに、
熱く発言することはないけど、
行動で示すタイプ。

どんな番組でも全力投球。

その姿勢が認められ、
嵐で初めてバラエティー番組の
レギュラーに抜擢された。


でも、アイツは何にも変わってなかった。


ジュニアの頃に比べたら、
仕事に対する姿勢は少し変わったと思う。

番組内でもよく喋っているし……


でも、やる気を感じない。


話し合いの中でも
特に意見をいう訳でもなく、
ただ何となく話を聞いているだけ。


演技には定評があった。


でも俺たちがドラマに出れるのは
【ジャニーズ事務所所属】という
とてつもなく大きな後ろ盾のお陰。

アイツも大きな看板がなければ、
何にも出来ないんだから……


俺は違う。


たかがアイドルなんて言わせない。


絶対に演技でもアイツに勝ってやる……


必死に目の前の仕事を頑張った。

努力が報われる日を信じてた……

けど、芸能界は甘くなかった。

俺たちはその場に立ち止まったまま
年月だけが過ぎていった。


転機が訪れたのは2006年だった。

嵐初のアジアツアー決定。

やっと俺たちの努力が報われたと思った。

夏に行われるツアーと
アジアツアーの準備に追われていた年始に
俺たちはマネージャーに呼びだされた。

会議室に到着すると
すでにメンバーは到着していた。


アイツ以外は……


そしてマネージャーが衝撃の言葉を告げた。

「3月初旬辺りから、
暫く嵐は4人での活動になる」

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