素晴らしき世界
第21章 嫌いの向こう側
それから数日後、ニノは海外へと旅立った。
俺は映画撮影、単発ドラマ、
コンサートの打ち合わせに大忙し。
他のメンバーも個々の仕事に打ち込んだ。
そして4人で迎える
初めてのレギュラー収録。
学ランに着替え、楽屋で本番を待つ。
「……何だか、静かだね」
ポツリと相葉くんが呟いた。
「まぁ、なんだかんだ言って
楽屋でニノはよく喋ってたからね」
読んでいた新聞紙を閉じる翔くん。
「今、何やってるんだろう……」
ソファーの背に寄りかかって
天を仰ぐリーダー。
「撮影に決まってるでしょ?」
思わずツッコんでしまった。
「そっか……」
この役目は俺じゃない。
ニノの鋭いツッコミがないから、
そこでプツリと会話が途切れる。
いなくなって初めて気が付く。
もしかしたら俺たちを繋いでいたのは
ニノだったのかもしれない。
どんな時でも明るくて……
イライラしながら楽屋に入っても
いつの間にはイライラが収まっていた。
そんな時は大抵、
ニノと誰かがバカげたやり取りをしてた。
煩いなって思いながらも、
見ていたら自然に笑ってた。
でも、ニノのお陰なんて
ちっとも思ってなかったし、
思う事を俺自身が許さなかった。
だって、嫌いだから……
「本番、お願いしまーす」
静かな楽屋にスタッフの元気な声が響いた。
スタジオに向かい、本番が始まる。
あんなに嫌いなのに……
いなくて清々するはずなのに……
心の中にポッカリと
穴が開いたような日々が続いた。
「みんな、久しぶり!元気ー?」
ニノが海外から帰ってきた。
「お帰り、ニノぉ」
相葉くんが駆け寄って抱きついた。
「帰って早々、暑苦しいですよ」
「うんうん、これこれ。
ニノの鋭いツッコミだぁ!」
「気持ち悪いですから」
2人のやり取りを笑いながら見ている
リーダーと翔くん。
言葉とは裏腹にニノも嬉しそうだった。
そして、俺自身も……
楽屋に戻ったいつもの明るい笑い声。
悔しい……
けどやっぱりニノがいなかった
楽屋は寂しかったよ。
俺は映画撮影、単発ドラマ、
コンサートの打ち合わせに大忙し。
他のメンバーも個々の仕事に打ち込んだ。
そして4人で迎える
初めてのレギュラー収録。
学ランに着替え、楽屋で本番を待つ。
「……何だか、静かだね」
ポツリと相葉くんが呟いた。
「まぁ、なんだかんだ言って
楽屋でニノはよく喋ってたからね」
読んでいた新聞紙を閉じる翔くん。
「今、何やってるんだろう……」
ソファーの背に寄りかかって
天を仰ぐリーダー。
「撮影に決まってるでしょ?」
思わずツッコんでしまった。
「そっか……」
この役目は俺じゃない。
ニノの鋭いツッコミがないから、
そこでプツリと会話が途切れる。
いなくなって初めて気が付く。
もしかしたら俺たちを繋いでいたのは
ニノだったのかもしれない。
どんな時でも明るくて……
イライラしながら楽屋に入っても
いつの間にはイライラが収まっていた。
そんな時は大抵、
ニノと誰かがバカげたやり取りをしてた。
煩いなって思いながらも、
見ていたら自然に笑ってた。
でも、ニノのお陰なんて
ちっとも思ってなかったし、
思う事を俺自身が許さなかった。
だって、嫌いだから……
「本番、お願いしまーす」
静かな楽屋にスタッフの元気な声が響いた。
スタジオに向かい、本番が始まる。
あんなに嫌いなのに……
いなくて清々するはずなのに……
心の中にポッカリと
穴が開いたような日々が続いた。
「みんな、久しぶり!元気ー?」
ニノが海外から帰ってきた。
「お帰り、ニノぉ」
相葉くんが駆け寄って抱きついた。
「帰って早々、暑苦しいですよ」
「うんうん、これこれ。
ニノの鋭いツッコミだぁ!」
「気持ち悪いですから」
2人のやり取りを笑いながら見ている
リーダーと翔くん。
言葉とは裏腹にニノも嬉しそうだった。
そして、俺自身も……
楽屋に戻ったいつもの明るい笑い声。
悔しい……
けどやっぱりニノがいなかった
楽屋は寂しかったよ。