素晴らしき世界
第21章 嫌いの向こう側
ニノが帰って来てから、
スゲジュールはよりハードになった。
『嵐』としても『個人』としても、
映画やドラマの撮影に加えて、
ライブの打ち合わせ。
自分的に余裕がなかった。
ライブのリハーサルでも
スタッフとぶつかる事が多くなっていた。
特に海外での公演はどうしても、
日本とは段取りや仕組みが違っていて……
「ごめん、潤君」
ステージからニノがマイクで俺を呼ぶ。
今からニノのソロリハーサル。
「ん?なに」
「通しでリハしてもいい?」
嘘だろ?
今、ただでさえリハ押してるのに。
「無理言ってゴメン、いい?」
「……わかったよ」
「ありがとう、潤君。
じゃあ、よろしくお願いいたします」
ニノのソロ曲が会場に流れる。
俺のざわついた心にニノのソロ曲は
イライラを募らせるだけ。
「……ちょっと出るわ」
スタッフに声をかけ、会場から外に出た。
「アイツ、何なんだよ」
思わず叫びながら、
近くにあった椅子を蹴り倒した。
「松本さん」
慌てて振り返るとスタッフが立っていた。
デビュー時から俺たちのライブに関わり、
気心が知れた仲だ。
「何なんだろ……アイツ」
壁に凭れながら呟いた。
「二宮さん、悪くないっすよ?」
「はっ?」
思わず睨みつけてしまった。
「怖いっすから……
実は二宮さんの後の櫻井さんのソロで
どうしても確認することがあったんです」
俺そんな事、全然聞いてないよ……
「今みたいに、松本さんイライラしてたから
スタッフも言えなかったみたいで」
俺、顔に出てたんだ……
「スタッフがどうしようか相談してたところに
『俺、ソロ通しでやったら時間取れるよ?』
って二宮さんが提案してくれて」
「ニノが?」
「松本さんに怒られて落ち込んでるスタッフに
よく声かけてフォローしてくれてますし……」
スタッフの話を聞いた後、会場に戻った。
するとニノが俺の元へ走って来た。
「ごめんね?無理言って……」
「いいよ、大丈夫だから」
スタッフから聞いた話と
感謝の気持ちは『秘密』にしておいた。
スゲジュールはよりハードになった。
『嵐』としても『個人』としても、
映画やドラマの撮影に加えて、
ライブの打ち合わせ。
自分的に余裕がなかった。
ライブのリハーサルでも
スタッフとぶつかる事が多くなっていた。
特に海外での公演はどうしても、
日本とは段取りや仕組みが違っていて……
「ごめん、潤君」
ステージからニノがマイクで俺を呼ぶ。
今からニノのソロリハーサル。
「ん?なに」
「通しでリハしてもいい?」
嘘だろ?
今、ただでさえリハ押してるのに。
「無理言ってゴメン、いい?」
「……わかったよ」
「ありがとう、潤君。
じゃあ、よろしくお願いいたします」
ニノのソロ曲が会場に流れる。
俺のざわついた心にニノのソロ曲は
イライラを募らせるだけ。
「……ちょっと出るわ」
スタッフに声をかけ、会場から外に出た。
「アイツ、何なんだよ」
思わず叫びながら、
近くにあった椅子を蹴り倒した。
「松本さん」
慌てて振り返るとスタッフが立っていた。
デビュー時から俺たちのライブに関わり、
気心が知れた仲だ。
「何なんだろ……アイツ」
壁に凭れながら呟いた。
「二宮さん、悪くないっすよ?」
「はっ?」
思わず睨みつけてしまった。
「怖いっすから……
実は二宮さんの後の櫻井さんのソロで
どうしても確認することがあったんです」
俺そんな事、全然聞いてないよ……
「今みたいに、松本さんイライラしてたから
スタッフも言えなかったみたいで」
俺、顔に出てたんだ……
「スタッフがどうしようか相談してたところに
『俺、ソロ通しでやったら時間取れるよ?』
って二宮さんが提案してくれて」
「ニノが?」
「松本さんに怒られて落ち込んでるスタッフに
よく声かけてフォローしてくれてますし……」
スタッフの話を聞いた後、会場に戻った。
するとニノが俺の元へ走って来た。
「ごめんね?無理言って……」
「いいよ、大丈夫だから」
スタッフから聞いた話と
感謝の気持ちは『秘密』にしておいた。