素晴らしき世界
第21章 嫌いの向こう側
俺もジュニアの頃のアイツらと同じだった。
外面だけで判断して、
内面を知ろうとしなかった。
言い訳を並べて、
ニノの実力を認めようとしなかった。
出来なかったんだと思う。
だって俺には勝ち目がないから……
きっと俺以上に努力していると思う。
でも、それが滲み出ていない。
まるで当たり前のようにこなしてしまう。
本当に不思議なヤツ。
色眼鏡を外して、
ニノの行動や発言を見てみると、
そこにはすべて意味があった。
俺の為だったり、メンバーの為だったり、
何より『嵐』のためだった。
あんなに嫌いだったのに……
自分でも感情の変化について行けない。
どうしてなんだろう……
愛おしく感じるようになっていた。
でも時々、心配になる。
いつも周りを気にして、空気を読んで
疲れないのかなって。
気を許す人はいるんだろうかって……
そして心配が現実になった。
他のジャニーズのメンバーも集まっての宴会。
「ほら、みんな飲んで飲んで」
上機嫌で先輩が俺たちにお酒を進める。
「はい、ぜひ」
ニノはニコッと笑ってグラスを空にする。
またその場の空気読んで……
お酒、弱いのに大丈夫か?
俺の心配を他所にお酒がどんどん減っていく。
「ちょっと、トイレ行ってきます」
会話中に拾ったニノの声。
目線をやると少しふらつきながら
部屋を出ていった。
あれからどれくらい時間が経ったのだろう。
帰ってこない……
心配になった俺は、
席を立ちトイレに向かった。
ひとつだけ閉まった扉をノックした。
「…はい」
苦しそうなニノの声。
「俺だけど……大丈夫?」
するとカチャっと音が鳴り扉が開いた。
そこには壁にもたれながらも
俺に笑顔を向けるニノがいた。
「ごめんごめん。大丈夫だから」
言葉とは裏腹に顔面は真っ青。
どこが大丈夫なんだよ……
俺にまで強がるなよ……
俺の横をすり抜けようとした腕を引っ張り、
便座の前に座らせた。
これ以上、辛い思いはさせられない。
俺も狭いが、ニノの隣にしゃがみ込む。
「ニノ、ごめんっ」
「えっ…うっ!」
外面だけで判断して、
内面を知ろうとしなかった。
言い訳を並べて、
ニノの実力を認めようとしなかった。
出来なかったんだと思う。
だって俺には勝ち目がないから……
きっと俺以上に努力していると思う。
でも、それが滲み出ていない。
まるで当たり前のようにこなしてしまう。
本当に不思議なヤツ。
色眼鏡を外して、
ニノの行動や発言を見てみると、
そこにはすべて意味があった。
俺の為だったり、メンバーの為だったり、
何より『嵐』のためだった。
あんなに嫌いだったのに……
自分でも感情の変化について行けない。
どうしてなんだろう……
愛おしく感じるようになっていた。
でも時々、心配になる。
いつも周りを気にして、空気を読んで
疲れないのかなって。
気を許す人はいるんだろうかって……
そして心配が現実になった。
他のジャニーズのメンバーも集まっての宴会。
「ほら、みんな飲んで飲んで」
上機嫌で先輩が俺たちにお酒を進める。
「はい、ぜひ」
ニノはニコッと笑ってグラスを空にする。
またその場の空気読んで……
お酒、弱いのに大丈夫か?
俺の心配を他所にお酒がどんどん減っていく。
「ちょっと、トイレ行ってきます」
会話中に拾ったニノの声。
目線をやると少しふらつきながら
部屋を出ていった。
あれからどれくらい時間が経ったのだろう。
帰ってこない……
心配になった俺は、
席を立ちトイレに向かった。
ひとつだけ閉まった扉をノックした。
「…はい」
苦しそうなニノの声。
「俺だけど……大丈夫?」
するとカチャっと音が鳴り扉が開いた。
そこには壁にもたれながらも
俺に笑顔を向けるニノがいた。
「ごめんごめん。大丈夫だから」
言葉とは裏腹に顔面は真っ青。
どこが大丈夫なんだよ……
俺にまで強がるなよ……
俺の横をすり抜けようとした腕を引っ張り、
便座の前に座らせた。
これ以上、辛い思いはさせられない。
俺も狭いが、ニノの隣にしゃがみ込む。
「ニノ、ごめんっ」
「えっ…うっ!」