素晴らしき世界
第22章 好きの向こう側
映画で料理人の役をすることになって
かなり上達した腕前。
親が調理師という事もあり、
筋はいいと先生に褒めてもらった。
俺には頼もしい先生がいるのにって
最初は思ってたんだけど、
ちゃんと習っておいて良かった。
今日は存分に発揮できそう。
料理が完成するにしたがって、
自然と嬉しくなって頬が緩むのがわかる。
喜んで……くれるかな?
プルルッ…
スマホをタップすると
スタジオを出発したというメッセージ。
「ヤバい、急がないとっ」
慌てて仕上げに取り掛かった。
「よし、完璧」
レストラン風にテーブルをコーディネート。
作った料理も綺麗にお皿に盛り付けた。
「ただいまー」
いつもの様に帰宅を知らせる声。
俺は慌てて着ていたエプロンを外して、
玄関へと向かった。
「慌ててどうしたの?」
いつもと違う俺の様子にクスクス笑ってる。
今から、驚かせてやるんだから……
リビングへと向かう歩みを、
腕を広げて止めようとしたら
俺をギュっと抱きしめてくれた。
違う、違う!
抱きしめて欲しいんじゃない!
って、嬉しいけどさ……
「そうじゃなくって……目、瞑って?」
名残惜しいが身体を離してお願いすると、
不思議そうな顔をしたけど、
ゆっくりと目を瞑ってくれた。
俺は手を引いて、
リビングへと連れていった。
「もう、開けていいよ」
ゆっくりと瞼を上げると、
大きい目が更に見開いた。
「うわぁ、すげー。
これ全部、和が用意したの?」
得意げな態度を取ろうと思っていたのに
潤の想像以上の喜びに照れてしまって
コクリと頷くことしか出来なかった。
「ありがとう。
すぐに手を洗って着替えて来るね」
下向く俺の髪をクシャっと撫でて
洗面所へ向かって行った。
その背中を見送ると、
俺は小さなワインセラーから
一本を取り出してテーブルに置いた。
「お待たせ……ん、これ飲むの?」
テーブルに合ったワインのラベルを見つめる。
気が付いてくれるかな?
作られた年号の意味するもの。
そして、今日が何の日か……
「今日にピッタリだね」
そう言うと器用に
ワインオープナーを使って
コルク栓を開けた。
かなり上達した腕前。
親が調理師という事もあり、
筋はいいと先生に褒めてもらった。
俺には頼もしい先生がいるのにって
最初は思ってたんだけど、
ちゃんと習っておいて良かった。
今日は存分に発揮できそう。
料理が完成するにしたがって、
自然と嬉しくなって頬が緩むのがわかる。
喜んで……くれるかな?
プルルッ…
スマホをタップすると
スタジオを出発したというメッセージ。
「ヤバい、急がないとっ」
慌てて仕上げに取り掛かった。
「よし、完璧」
レストラン風にテーブルをコーディネート。
作った料理も綺麗にお皿に盛り付けた。
「ただいまー」
いつもの様に帰宅を知らせる声。
俺は慌てて着ていたエプロンを外して、
玄関へと向かった。
「慌ててどうしたの?」
いつもと違う俺の様子にクスクス笑ってる。
今から、驚かせてやるんだから……
リビングへと向かう歩みを、
腕を広げて止めようとしたら
俺をギュっと抱きしめてくれた。
違う、違う!
抱きしめて欲しいんじゃない!
って、嬉しいけどさ……
「そうじゃなくって……目、瞑って?」
名残惜しいが身体を離してお願いすると、
不思議そうな顔をしたけど、
ゆっくりと目を瞑ってくれた。
俺は手を引いて、
リビングへと連れていった。
「もう、開けていいよ」
ゆっくりと瞼を上げると、
大きい目が更に見開いた。
「うわぁ、すげー。
これ全部、和が用意したの?」
得意げな態度を取ろうと思っていたのに
潤の想像以上の喜びに照れてしまって
コクリと頷くことしか出来なかった。
「ありがとう。
すぐに手を洗って着替えて来るね」
下向く俺の髪をクシャっと撫でて
洗面所へ向かって行った。
その背中を見送ると、
俺は小さなワインセラーから
一本を取り出してテーブルに置いた。
「お待たせ……ん、これ飲むの?」
テーブルに合ったワインのラベルを見つめる。
気が付いてくれるかな?
作られた年号の意味するもの。
そして、今日が何の日か……
「今日にピッタリだね」
そう言うと器用に
ワインオープナーを使って
コルク栓を開けた。