素晴らしき世界
第29章 夢か幻か
「何だよ!教えてくれたっていいじゃん!」
「マジで無理なんだってば」
適当に嘘をつけばいいんだけど……
せっかくいい夢見たのに、
その事に対して嘘をつくのは嫌だ。
「ケチ、何で教えてくれないの!」
キッと俺を睨みつける。
いつもならこのやり取りに飽きて、
すぐにゲームに戻るのに珍しくムキになるニノ。
「そんなにいい夢だったんだ……」
さっきまで威勢が良かったニノの声が
急にトーンダウンする。
「だから言わないの?」
瞳がゆらゆら揺れ、
どんどん潤いを増していく。
「えっ?ニノ……どうした?」
突然の感情の変化に思考がついていけない。
ニノは再び視線を落とし、
表情を確認することが出来ない。
「だって正夢になって欲しから言わないんでしょ?
そういう迷信、あたな信じるじゃん……」
正夢か……
そりゃ、そうなれば幸せだよ?
「そんなの正夢になんか……したくない」
「えっ?」
ニノの視線の先にある膝に置いていた手が
グッと握りしめられた。
「嫌だ、絶対に……嫌だ」
「うわっ!」
ニノが突然立ち上がると、
勢いよく俺の胸に飛び込んできた。
「どっ、どうした?」
「嫌だって言ってんの!
好きな人との夢が正夢になるのが!」
そこまで拒否しなくてもいいじゃん。
軽く、凹むんですけど……
俺にとってはめちゃくちゃいい夢なんだから!
って、そもそも俺がどんな夢をみようと、
ニノには関係ないはず。
でもニノは執拗に俺の夢……
つまりは俺と好きな人との夢の話を聞きたがる。
いや、話させたがっている。
『正夢になんかしたくない』
ニノが発したこの言葉が理由だ。
じゃあ、なぜニノは俺と好きな人との
夢の出来事を正夢にしたくないんだ?
必死に考えを巡らせていると、
ニノが俺の腰に手を回してギュッとしてきた。
ちょっと待って……
この状況、夢の中の出来事と似てない?
「マジで無理なんだってば」
適当に嘘をつけばいいんだけど……
せっかくいい夢見たのに、
その事に対して嘘をつくのは嫌だ。
「ケチ、何で教えてくれないの!」
キッと俺を睨みつける。
いつもならこのやり取りに飽きて、
すぐにゲームに戻るのに珍しくムキになるニノ。
「そんなにいい夢だったんだ……」
さっきまで威勢が良かったニノの声が
急にトーンダウンする。
「だから言わないの?」
瞳がゆらゆら揺れ、
どんどん潤いを増していく。
「えっ?ニノ……どうした?」
突然の感情の変化に思考がついていけない。
ニノは再び視線を落とし、
表情を確認することが出来ない。
「だって正夢になって欲しから言わないんでしょ?
そういう迷信、あたな信じるじゃん……」
正夢か……
そりゃ、そうなれば幸せだよ?
「そんなの正夢になんか……したくない」
「えっ?」
ニノの視線の先にある膝に置いていた手が
グッと握りしめられた。
「嫌だ、絶対に……嫌だ」
「うわっ!」
ニノが突然立ち上がると、
勢いよく俺の胸に飛び込んできた。
「どっ、どうした?」
「嫌だって言ってんの!
好きな人との夢が正夢になるのが!」
そこまで拒否しなくてもいいじゃん。
軽く、凹むんですけど……
俺にとってはめちゃくちゃいい夢なんだから!
って、そもそも俺がどんな夢をみようと、
ニノには関係ないはず。
でもニノは執拗に俺の夢……
つまりは俺と好きな人との夢の話を聞きたがる。
いや、話させたがっている。
『正夢になんかしたくない』
ニノが発したこの言葉が理由だ。
じゃあ、なぜニノは俺と好きな人との
夢の出来事を正夢にしたくないんだ?
必死に考えを巡らせていると、
ニノが俺の腰に手を回してギュッとしてきた。
ちょっと待って……
この状況、夢の中の出来事と似てない?