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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

ニノと俺の関係は複雑で不思議だ。


メンバーだし、親友だし、
そして恋人でもある。


それが日によってコロコロ変わる。


仕事ではメンバーとして接する。

たまに親友の部分もあるかな?


楽屋ではしゃいでる時や、飲んでる時も親友。


恋人の時間って案外、少ないかもしれない。



そもそも恋人になったのはいつなんだろう?



ずっとそばにいて……

いつの間にか好きになっていて……



それはきっとニノも同じだと思う。



そしていつの間にか俺たちは
付き合うようになった。


確証的な言葉は俺たちにはなかった。


『好き』という告白も、
『キスしよう』『エッチしよう』の言葉も。


だって、親友になろう?って言って
親友になるモノじゃない。


それと同じで……



暗黙の了解……自然の流れだった。



でも大みそかに近づくにつれ、
恋人としてニノがそばにいてくれた。


だからこそ世間の嫌な言葉に惑わされず、
紅白の司会に全力で取り組むことができた。

そしてそれを全うする事ができた。


去年の俺がいた環境にニノがいる。


やっぱりニノの司会に対しての
風当たりは去年以上に強い。


それをニノは目にしたり、
耳にしていたりするのだろうか。


俺はメンバーに言わせたら
わかりやすい性格らしいけど……

ニノは表に感情を出すことがない。


大丈夫かなぁ?


だってそれは俺にも原因がある。


もっと出来ていれば風当たりも
いくらかマシだったかもしれない。


でもあの時、俺は全てを出し切った。

あれ以上の事は出来なかった。


それに過去を振り返ったって何も変わらない。


今の俺にメンバーとして、親友として、
そして恋人として何が出来るんだろう……

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