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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

「イテテテッ…」

遠慮がちに漏れるニノの苦痛の声。

投げ出していた身体をゆっくりと戻し、
ソファーにきちんと座り直した。

いくらみんなから力を貰っても
体調まではカバーできない。

「腰、痛い?」

「まーね。いつもの事だし、慣れたもんだよ」

おじいちゃんの様に前のめりになって
腰をトントンと叩いている。

いつもはツアー後にマッサージを
受けてるから大丈夫なんだけど……

会場最終日は東京に帰るからシャワーを
さっと済ませ会場をあとにする。

つまり今日は、マッサージを受けてない。


本人は平気だって言うけど……
ハワイの件もあるから心配なんだよね。


それに紅白ではリハーサルを含め、
司会だからずっと立ちっぱなしになる。

健康な俺でさえ、足や腰が痛くなった。

ニノはきっと俺以上に身体に負荷がかかる。


俺もソファにきちんと座ると、
ニノの腰を優しく擦った。

「大丈夫ですから……相葉さんに
心配されるほど私の身体は柔じゃないです」

口では大丈夫と言っても、
いつもの様に俺の手を振り払おうとはしない。

「まぁ、相葉さんがどうしても
したいと言うならさせてあげますよ」


ホント素直じゃないんだから……


でも、そんなの想定内。


俺はその上を行くからね?


「じゃあ……しっかりマッサージしようね?」

「えっ?うわっ!」

ちょっと強引にニノの手を引っ張って、
ソファにうつ伏せに倒した。

俺は素早く立上がって移動すると、
ニノの膝辺りに跨がって腰を下ろした。

「ちょっと……何すんの!」

上半身を反らしながら振り返り、
抗議の目を俺に向ける。

「こらっ、腰に悪いから……
その体勢、止めなさい!」

「ひゃ…っ」

腰をグッと掴むと可愛い声が聞こえた。

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