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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

「様子……どうなの?」

新聞に目を落としたままの翔ちゃんが
ポツリと呟いた。

「一緒に住んでるんでしょ?」

新聞を閉じて見えた表情はニヤニヤしてた。

「変な事、想像してるでしょ」

「べーつに」

「そんなつもりで一緒に住んでないからね!」

「ホントにぃ?」

疑いの目を俺に向けてくる。


そりゃ……
ちょっとは出来るかな?って期待はあるよ。

俺だって男だもん。


「まぁ、ニノの事だから
のらりくらりとかわしてるんじゃないの」

クスッと笑うとコーヒーを啜る松潤。


さすが、痛いところを突いてきやがる。


「で、どうなの?様子は……」

寝ていると思っていたリーダーが、
目を擦りながらソファーから起き上がる。

「うーん、変わらないかな?」

「ニノらしいね」

『らしい』という言葉と
フワッと笑うリーダーに気分がホッとした。

「逆に緊張しないのが怖いわ」

翔ちゃんの言葉は説得力がある。

色んな司会の大役を務め、
たくさんのプレッシャーを
乗り越えてきたんだ。

「でも相葉くんみたいに、
いっぱいいっぱいになられても困るけど」

「それを言うなよぉ」

松潤の言葉で情けない俺の姿を思い出し、
ガクッと肩を落とす。


そこからは俺の残念エピソード合戦。


翔ちゃんや松潤が言うならまだしも、
リーダーも参戦してる。

「もう……勘弁してよ」

「ただいまー」

楽屋に救いの手を差し伸べて……くれるかな?

ニノが打ち合わせから戻ってきた。

「どうしたの相葉さん?
翔さんみたいになで肩になってるよ」

「うぉい!」


マジ、天使だ……ニノ。


やっぱりどんな時でも変わらない。

ニノらしいな……



でも俺は気づいていなかった。



同じ言葉だけど、
俺とリーダーの『らしさ』の違いに……

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