テキストサイズ

素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

否定はしたいけど、
違うって証明する証拠がない。


『違います』っていう言葉だけ。


それにこれを話題に出す事すら、
事務所に止められている。


その言葉さえ、言う事が出来ない。


きっと取材でもこの話には触れないように
マスコミにはお達しが行ってるだろう。

だた、月日が経って
報道が消えるのを待つだけ。


東京公演を目前にして事実じゃなくても、
この記事が世間に出てしまったの事は
ファンの方に本当に申し訳ない。

自惚れかも知れないけど、
俺の誕生日にライブが見れて
嬉しいと喜んで下さるファンの方もいる。


それなのに……

恩を仇で返すって、まさにこの事だよ。


ただでさえ、気分は一週間落ち込んでる。


ガツンと事実を突きつけられてから、
幸か不幸か松潤にもニノにも
仕事で会う機会は無かった。

ニノの家もあれから一度も訪れていない。

だだリーダーとは雑誌の撮影で会ったけど、
その事には一切触れてこなかった。


そして今日は『嵐にしやがれ』の収録。



初めて仕事を休みたいって思った。



スケジュールが埋まる事は本当にありがたい。


仕事な無い辛さ。

仕事ができない辛さ。


それを知っていても、
今回ばかりは逃げ出したかった。


風邪ひかないかな?

インフルエンザにならないかなって、
罰当たりな事さえ考える始末。


でも実際は……いたって健康。


「相葉さん、着きましたよ」

渋滞に巻き込まれることなく
無事にスタジオ到着。

「すみません、一旦事務所に戻るのでここで」

「わかった、ありがとう」

後部座席から降りると自動的にドアが閉まり、
地下の駐車場から車が出ていくのを見つめた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ