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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

「でも本当にその事で悩んでる?」

リーダーは回りくどい事はしない。


いつも直球を投げてくる。

かなりのスピードだから、グサッと刺さる。


「根源の悩みがあるからこそ、
今回の記事も悩んてるんでしょ?」

俺はコクリと頷くことしか出来ない。

「ファンの方はきっと色々な感情を持つ。
そればっかりはどうする事もできない。
だから仕事で信頼を取り戻すしかないよ」


もちろん、その悩みも大きい。

やっぱり記事の真偽がどうであれ、
ファンの方を傷つけてしまった事に
何らかわりはない。


「そばにいなかったからじゃないの?」

直球の玉が頭に当たって、脳内に言葉が響く。


そう、それが一番だ。

こういう記事が出る時は、
一番にニノに伝えていた。


誰かから伝わるんじゃなくて……

自分の言葉でちゃんと伝えたい。


所詮『男』と『男』

女性の影がちらつくと、
やっぱり相手の将来を考えてしまう。


わかってる。


俺がニノを一番に想っている事。

ニノも俺を一番に想っている事。


『好き』って気持ちが
一番だってわかっていても……


揺らいでしまう。



だからこそちゃんと『違う』って伝えたい。



俺はいつも不安だったし、辛かった。


ニノの事も……

そしてファンの方に対しても……


きっと顔にそれが出てたんだと思う。


だからこそ言葉少ないニノが
『大丈夫だよ』『相葉さんだけだから』って
言葉で伝えてくれる。


でもそれは……

ニノも同じじゃないかって思うんだ。


けどニノは天邪鬼だから、
俺みたいに感情を表に出さない。


不安だったり辛いって、泣いたり叫んだり……


「あっ…」

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