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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

「ふふっ、わかったみだいだね」

リーダーの顔を見つめると、優しく微笑んだ。

「俺、一回だけ『ニノらしいね』って
言ったの……覚えてる?」

「うん」

「ニノはきっと司会が決まってから
ずっと不安だったと思うんだ」

わかってはいても、俺が気づかなかった事を
ちゃんとリーダーが気づいていたのは悔しい。

きっと、翔ちゃんも松潤も気がついてた。

「でもニノは素直じゃないし……
去年の相葉ちゃんを見てるから余計に
強がったんだと思うよ?」


俺の……せい?


「相葉ちゃんのせいじゃないよ」

きっと泣きそうになっている俺に気がついて
フォローしてくれたんだと思う。

「ニノは相葉ちゃんに優しいから」

「えっ?」

「もちろん司会を務めあげた事は
いい思い出だしいい経験だったけど……
それだけじゃないでしょ?」


司会を引き受けた事は今でも後悔してない。

素晴らしい経験だったし、いい思い出。


でも、それだけじゃなかったのも事実。


「きっとニノはその事を相葉ちゃんに
思い出させたくなかったんだと思うよ?」


俺の司会が決まってから、
ニノはずっとそばにいてくれた。

ずっと俺を見てくれていた。


だからこそ不安な表情や言葉を
漏らしていたのを知ってる。


「でもさ、そこまで相葉ちゃんは
軟じゃないのにね?ニノの為なら
どこまでも頑張れるのにね?」


リーダーの言葉に大いに共感した。

昔は過去の事を思い出すと、
感情が揺れて不安になる事もあった。

けど今は多くの経験をして強くなった。


紅白の司会に関しては『先輩』だぞ!


「うん、支えになりたいもん」

ようやく力強い言葉を
リーダーに返すことが出来た。

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