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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間








ピピッピピッ…


「ぅ…ん」

手を音の鳴る方に伸ばしてアラームを止めた。

隣ではアラームに気づくことなく
スヤスヤという言葉が似合う寝顔の相葉さん。

「可愛いな」

「うふ…っ」

サラサラの髪を撫でると
目を瞑ったまま嬉しそうに笑った。


もうちょっとだけ、寝かせてあげよう。


俺は再び手を伸ばしてスマホを取った。

タップしてグループラインを開くと、
昨日ステージでとった写真がJから
きちんと送られていた。


ケーキと一緒に映る相葉さん。

ホント……嬉しそうに笑ってる。


スクロールすると、翔さん以外が写ってる
会場全体のパノラマ写真。

そして5人での写真。


俺、こんな顔してたんだ……


相葉さんの隣で嬉しそうに笑う俺。



やっぱり俺、
相葉さんが隣にいないと駄目だよ……



俺はカメラを起動させて、
寝ている相葉さんにピッタリ寄り添う。


コンサートが終わると
一緒に過ごす時間もなくなってしまう。

相葉さんが隣に……いない。


インカメラに切り替えると、
俺とまだ寝ている相葉さんが画面に写る。



だからスマホの中だけでも、
ずっと隣にいさせて?


パシャ…


「えっ?」

シャッターの音と、俺の驚く声が重なった。

俺の頬に軽い衝撃を感じた。


画面に写った写真には
俺の頬にキスをする相葉さんと驚く相葉さん。


「起きてた…の?」

「少し前にね」

俺を引き寄せ、
後ろからギュッと抱きしめてくれた。

「もう一枚……撮ろ?」

「うん」


パシャ…


相葉さんの腕に包まれて、
顔と顔とくっつけ合う2人。


そこには俺たちしか知らない笑顔があった。

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