素晴らしき世界
第30章 僕らの48日間
向かったのはNHKホールのロビー。
「みんな早く……うわっ!」
まだ来てないと思って振り返ったら、
3人がすぐ後ろにいてビックリした。
「ニノの事になると、
ホント周りが見えないよね」
苦笑いを浮かべる翔ちゃんに、
苦笑いを返すことしか出来ない俺。
でもこうやって慌てる俺に、
ちゃんとついて来てくれるメンバー。
何だかんだで俺と同じように
ニノが心配なんだと思う。
特に今している事は……ね。
リハーサルの忙しい合間を縫って
行われる面談。
今年一年の活動や、近況などのを聞いていく。
司会をする上でこの面談は顔合わせでもあり、
出演者との距離を縮める大切な時間だと
わかっていても……
人見知りの俺には辛い時間だった。
出演歌手全員と面談するため、
まるで流れ作業の様に次々と行われていく。
ニノ、大丈夫かなぁ?
俺は無くなる事のない緊張感で
死にそうになってたから……
それにあの時の俺は疑心暗鬼になってた。
皆様の『頑張って』っていう言葉を
素直に受け取る事が出来なかった。
『こんなヤツに司会なんて出来ない』
そう思ってるんじゃないかって
疑いの目を向けていた。
そんな事を考えるくらい、
1人での司会のリハーサルの大変さに、
疲れ切って精神的に追い詰められていた。
「何やってんですか?早く座って下さい」
いつもと同じ鋭い指摘の声が
少し離れた場所から聞こえた。
でもその色声は少しだけ嬉しそう。
俺たちは顔を見合わせて笑い合った。
やっぱり……去年の俺の気持ちと同じ。
「はーい、すみません」
俺たちはペコペコ頭を下げながら、
ニノがいる場所へと向かった。
「みんな早く……うわっ!」
まだ来てないと思って振り返ったら、
3人がすぐ後ろにいてビックリした。
「ニノの事になると、
ホント周りが見えないよね」
苦笑いを浮かべる翔ちゃんに、
苦笑いを返すことしか出来ない俺。
でもこうやって慌てる俺に、
ちゃんとついて来てくれるメンバー。
何だかんだで俺と同じように
ニノが心配なんだと思う。
特に今している事は……ね。
リハーサルの忙しい合間を縫って
行われる面談。
今年一年の活動や、近況などのを聞いていく。
司会をする上でこの面談は顔合わせでもあり、
出演者との距離を縮める大切な時間だと
わかっていても……
人見知りの俺には辛い時間だった。
出演歌手全員と面談するため、
まるで流れ作業の様に次々と行われていく。
ニノ、大丈夫かなぁ?
俺は無くなる事のない緊張感で
死にそうになってたから……
それにあの時の俺は疑心暗鬼になってた。
皆様の『頑張って』っていう言葉を
素直に受け取る事が出来なかった。
『こんなヤツに司会なんて出来ない』
そう思ってるんじゃないかって
疑いの目を向けていた。
そんな事を考えるくらい、
1人での司会のリハーサルの大変さに、
疲れ切って精神的に追い詰められていた。
「何やってんですか?早く座って下さい」
いつもと同じ鋭い指摘の声が
少し離れた場所から聞こえた。
でもその色声は少しだけ嬉しそう。
俺たちは顔を見合わせて笑い合った。
やっぱり……去年の俺の気持ちと同じ。
「はーい、すみません」
俺たちはペコペコ頭を下げながら、
ニノがいる場所へと向かった。