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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

ニノはペロリとお粥を平らげると、
ソファに移動して台本チェック。

ゆったり座れるはずなのになぜか体育座りで、
縮こまって台本を読む姿は可愛くて仕方ない。


ずっと見ていたいし、
後ろからギュって抱きしめたいけど……

今はガマンガマン。


俺は邪魔しないように静かに食器を洗い、
素早く風呂を済ませてリビングに戻った。

「ニノ?」

後ろ姿に呼びかけても返事はない。

ニノの正面に近づいてみると、
膝においた分厚い台本に顔を埋めて寝ていた。


早く上がってきて正解だったな。


「起きて?」

「ぅ……ん」

優しく身体を揺らすと
ゆっくりと目を開けて俺を見上げる。

「こんなところで寝たら
風邪ひくからベッド行こ?」

曲げてる膝に腕を滑らせ、
もう片方を背中に回すとニノを持ち上げた。


いつもなら『恥ずかしい』って暴れるのに……


落ちないようにちゃんと首に手を回し、
首筋に顔を埋めて密着する。

寝室に入りベッドに下ろすと、
俺も直ぐ様ニノの隣に身体を滑らせる。

「相葉……さん」

モゾモゾと俺に近づきギュッと抱きつく。

「大丈夫?」

「こうしてたら大丈夫」

隙間もないくらいに密着してくる身体に
俺も腕を回して抱きしめる。


さすがのニノも今日は大変だったんだろう。


そして改めて感じた白組司会としての重圧。


『二宮和也』

司会者として初めて自分の名前を言う。


それは全てを背負って
テレビの前に立つという事。


「ふふっ、温かい」

「そう?なら良かった」


大丈夫。

何があっても全部、受け止めてあげるから。


外では強がるんだから、
今だけは遠慮なく俺に甘えてね?


規則正しい吐息を聞きながら俺も瞼を閉じた。

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