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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間









オープニングの衣装に着替える。

去年は俺だけが違う衣装、袴衣装だった。


きっとニノはもう
着替え終わってるだろうな。

袴が短くなければいいんだけど……


司会者と出演者の楽屋は別だから
ニノがここに来ることはない。

リハーサルもあったけど、
バタバタしてたから会話も出来なかった。


大丈夫かな?


「相葉くん、ソワソワしすぎ」

カフェラテを可愛く飲みながら、
翔くんがクスクス笑う。

「ニノなら大丈夫だよ」

さっきまで寝ていたリーダーが
ソファから起き上がる。

「きっと相葉くんより落ち着いてる」

準備運動に腹筋をしながらも、
普通に会話する松潤。


みんな……落ち着きすぎじゃない?


「そんなに気になるなら、
会いに行ったらいいんじゃない?」

腹筋を止めて松潤が立ち上がった。

「へっ?」


会いに……行く?

行って……いいの?


「去年も会いに行ったでしょ?みんなで」

「あぁぁぁぁ!」

そうだった。

去年も本番前に
みんなが楽屋に来てくれたんだ。


ガチガチに緊張してた俺を見て、
ケラケラ笑ってたけど……

メンバーに会えてホッとしたんだ。


「じゃあ、行きますか!」

珍しくリーダーが先陣をきる。


ステージから一番近い楽屋に向かうと
『二宮和也』と名前がかかれた紙が
貼ってある。


コンコン…


「はーい」

少し緊張気味のニノの声が聞こえた。

「「「「嵐でーす」」」」

合わせたわけじゃないのに、
俺たちは同じ言葉を口にした。

「帰ってくださーい」

一瞬で声のトーンが変わった。

「お邪魔しまーす」

俺はドアノブに手を伸ばしてドアを開けた。

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