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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

流れて来たのは『season』


ホント、いい曲なんだよな……


思い出として脳裏に映し出されたのは、
15周年の記念で行われたハワイライブ。


スクリーンに映し出されていた写真の数々。


リハーサルでそれを見ながら
俺がこのステージに立てたのは
本当に色々な奇跡が重なっていたと思った。


まずは『嵐』としてデビューできた事。


最初は翔ちゃんと松潤とニノが
デビューする予定だった。

そして歌の上手いリーダーが加わった。


そこに俺が加わる要素なんて何一つなかった。


でもニノと仲が良かった事を知っていてた
ジャニーさんの『相葉がいないと可哀想』と
いうまさかの同情で加入する事が出来た。

あと、パスポートがあった事。

もしなければ会見のハワイには行けなかった。


そして2002年に発症した『肺気胸』

番組企画のサックス練習中に発症し、
即入院そして手術を受けた。

自分が行くはずだったロケや
取材等をメンバーが行ってくれたり、
直前に開催されるハワイツワーの
イベント内容も体調に合わせて変更。


メンバーには、
感謝と申し訳なさでいっぱいで……


どんな顔して
仕事復帰したらいいがずっと考えていた。

迷惑をかけてしまったメンバーに
どう向き合ったらいいかわからない。


そして何よりも怖かった。


俺が必要のない存在に
なっているんじゃないかって……

みんなが必死に俺の仕事をこなしてくれたのに
その事が『俺じゃなくても出来た仕事』という
現実を突きつけられている様に思えた。


仕事復帰した先に、俺の居場所があるの?


またいつ再発するかわからない
病気を抱えた俺。


迷惑をまたかけるかもしれない俺を
メンバーは受け入れてくれる?



今の『嵐』に
今の『俺』の居場所は……あるの?



そんな不安を抱えながら俺は
仕事復帰を日を迎えたんだ。

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