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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

その前後から、
たくさんの仕事が頂けるようになったと思う。


リーダーは
舞台『プーシリーズ』で才能が開花。

翔くんは
『NEWS ZERO』月曜キャスターに就任。

ニノは
『硫黄の手紙』でハリウッド進出。

松潤は
『花より男子』の道明寺で脚光を浴びた。

そして俺は
『志村動物園』にレギュラー出演。


個々の仕事での経験は
『嵐』としてもしっかり還元された。


2006年には嵐として初のアジアツアー。

その凱旋記念最終公演として、
東京ドームでのコンサートを開催できた。

そこから5大ドーム、そして国立競技場。



俺1人、もしくは誰か1人が
頑張っても決して見る事が出来ない光景。



リーダー、翔くん、ニノ、松潤……そして俺。



みんなが『嵐』を背負って頑張ったからこそ、
たくさんの光景を見る事が出来た。



ずっと一緒に過ごした友達でも、
社会人になったら離れ離れになる。

この歌の様に、新たな世界へ旅立つ。



でも俺たちは違う。



元々バラバラだった俺たちが
デビューしてからずっと一緒にいる。

きっとそれはこれからも変わらない。


そして目の前の仕事は違えど、
見つめる先の目標はみんな同じ。


『トップになりたい』

この目標に向かって走り続ける。


じゃあ、俺とニノは?


『嵐』のメンバーでもあり親友、
そして恋人でもある。


『恋人』として俺たちの先には何がある?


俺たちはそもそも先を……見つめてる?


現状維持……

今のままが悪いとは思わない。


俺たちは『結婚』ましてや
『交際宣言』なんて出来ない。


だからって俺たちは
先に進まなくていいのかな?


運転するニノを横目で見た。

さっきと変わらず、
口を少し尖らせて前を見つめる。


ニノが見つめている先には何かあるの?


俺も同じように、
今ニノが見ている風景を見つめた。

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