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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

「ちょっと、相葉さん……重い」

「痛い、痛いってば」

退けとばかりにペシペシと俺の背中を叩く。

流石に俺の体重が乗っかるのは重いので、
手を突っ張って上半身を浮かせた。

目の前のニノは苦しかったのと、
恥ずかしかったので顔が赤く染まっている。


長く付き合っていても、
こうやって初々しく照れちゃうんだよね。


だから俺もずっと変わらず
その姿にキュンキュンしちゃう。


「どっ、どいてよ」

ジッと見つめていると、
プイっと顔を逸らされた。

「ニノ」

「……何ですか」

「こっち向いてよ」

「嫌です」

声をかければかけるほど
どんどん耳が赤くなっていく。


俺から言わせてみれば、
身体は口程に物を言うってヤツ。


「向かなきゃ、襲っちゃうぞ」

「ばっ、バカ!ひゃっ、やめっ」


たまに出る甲高い声が……エロい。


擽られて身悶えるニノの反応が面白くって
あちこち手で身体を撫で回す。

「いい加減に……しろ!」

「うぐ…っ」

見事にボディブローを食らい、
俺はニノの横に倒れ込んだ。

「調子に乗るからだよ」


形勢逆転。

俺に跨るニノが挑発的に俺を見下ろす。


「覚悟しろよ?」

「それはこっちのセリフでしょ?」

ニヤリと笑い返して見せた。

「えっ?うわっ!」


頭脳では到底ニノには勝てない。

でも体力面は断然、俺が有利。


腹筋を使い勢いよく身体を起こすと、
バランスを崩したニノが後ろに
倒れそうになる。

「おっと、あぶねっ!」

勢いそのままにニノをギュッと抱きしめた。

「……俺ら、何やってんの?」

俺の腕に包まれながらも急に冷静になるニノ。

「うーん、何だろ?」

「犬のおもちゃで遊んでカルタして、
訳わかんない擽り愛って……小学生じゃん!」

バッと俺の胸から離れると、
非難の目を向ける。

「いいじゃん。楽しいでしょ?
それとも……もっと大人な事したいの?」

「えっ?」

ポッと赤く染まった頬を手で包んだ。

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