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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

「一緒に……住もう」

自然に言葉が浮かんで、それを口にした。

「…えっ?」

「うん、一緒に住もう。ニノ」

もう一度口にした言葉に
さっきよりも気持ちを込めた。

「なっ、なによ…いきなり!
そんなにしたいの?」


顔を真っ赤にしてるのは怒ってるから?

それとも俺の言葉に照れてるの?


「そりゃさ……したいけど」


こういう時でもバカ正直で、
カッコつけられないんだよな……


「相葉さんの頭の中って
その事ばっかりなの?」

「うん」

「ホント呆れてものも言え……」



でも今日は少しカッコつけさせてよ。



「俺はいつでもニノの事ばっかだよ」

「……えっ?」

俺の言葉に目をパチパチさせて驚く。

「親友としてのニノ、メンバーとしてのニノ、
そして恋人としての……和」

「ちょっ、和って……何よ」


動揺するのも無理ない。

俺も初めて『和』って名前で呼んだ。


「俺さ、改めて思ったの。
ニノの笑顔が大好きだって……」


レッスンに通っても人見知りで
常に端っこで蹲っていた俺。

そんな中、たまたま一緒になった車中で
『家はどこ?』って声をかけてくれたニノ。


一緒だってわかって
嬉しそうに笑ってくれたニノ。

一緒だってわかって
嬉しくて笑った俺。


初めて俺に笑顔を見せてくれたのはニノ。


俺が初めて笑顔を見せたのはニノ。


「これからもずっと俺はニノの笑顔をみたい。
誰よりもそばで……」

瞳をキョロキョロさせるのは、
今の状況を必死に把握しようとしてる証拠。


茶化すべきなのか?

それとも真剣に聞くべきなのか?


「もし笑顔が消えそうになったら
俺が取り戻す」

「……自信満々だね」


ニヤリと笑いながら言って見せるのは、
俺の出方を伺っているんだよね?


だったら俺は……

とことん気持ちを伝えるよ。


「当たり前だろ?
俺は和の恋人なんだから」


誰よりもニノを……

そして和を知っているんだから。

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