素晴らしき世界
第6章 不思議な同居人
ニ「えっ?」
二宮さんが掴んだ腕を見た。
「あっ、スミマセン!」
俺は掴んだ手を引っ込めた。
ニ「じゃぁ、失礼します……」
「ちょっと待って!」
また、二宮さんの腕を掴む。
ニ「えっ?」
今度は俺の顔を見た。
「どこ行くの?」
ニ「どこって……わからない」
「行くとこあるの?」
ニ「ないけど……ここにずっと
いる訳にも行かないから……」
「……いいよ」
ニ「はい?」
「ここにいたら」
ニ「へっ?それって……」
「ここに住めばいいよ」
鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている
二宮さんを見て思わず笑ってしまった。
二「何、笑ってるんですか?」
「二宮さんの顔が面白くって」
ニ「あなた、わかってます?」
「なにを?」
ニ「俺、幽霊ですよ?」
俺は首を縦に振る。
ニ「死んでるんですよ?」
また俺は首を縦に振る。
ニ「あなた、おかしいですよ……」
自分で言っている言葉に傷ついて
また目に涙を浮かべている。
「そうかなぁ?
幽霊だろうが行く当てのない人を
ほっとけないし……
二宮さんの事が見えたのも
何かの縁かもしれないし……」
すると二宮さんが笑い出した。
「えっ?俺、変な事言った?」
ニ「変ですよ、幽霊に『縁』を
感じるなんて。面白い事を言いますね」
我ながら恥ずかしいことを言ってしまった。
でも、本当にそう思ったから……
二宮さんを助けたいって……
二「あの……」
「はっ、はい!」
ニ「名前、教えてもらっていいですか?」
「あっ、大野智です」
ニ「大野さん、本当にいいんですか?」
「なにが?」
ニ「ここにいても……」
また、目から涙がぽろぽろ落ちている。
「いいですよ。
いつまでもいてもらって大丈夫」
すると涙を手で拭いながら
ニ「成仏させない気ですか?」
「成仏しない気なの?」
ニ「だって、何で死んだか
分からないから……」
自分の名前も覚えてなかったんだ。
何で死んだかなんて知るはずもない。
「俺も色々調べてみるから……
それまでは家に居たらいいよ」
ニ「ありがとうございます。
不束な幽霊ではございますが
よろしくお願いいたします」
ものすごい勢いで頭を下げた。
「こちらこそよろしくお願いいたします」
俺も釣られて勢いよく頭を下げた。
二宮さんが掴んだ腕を見た。
「あっ、スミマセン!」
俺は掴んだ手を引っ込めた。
ニ「じゃぁ、失礼します……」
「ちょっと待って!」
また、二宮さんの腕を掴む。
ニ「えっ?」
今度は俺の顔を見た。
「どこ行くの?」
ニ「どこって……わからない」
「行くとこあるの?」
ニ「ないけど……ここにずっと
いる訳にも行かないから……」
「……いいよ」
ニ「はい?」
「ここにいたら」
ニ「へっ?それって……」
「ここに住めばいいよ」
鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている
二宮さんを見て思わず笑ってしまった。
二「何、笑ってるんですか?」
「二宮さんの顔が面白くって」
ニ「あなた、わかってます?」
「なにを?」
ニ「俺、幽霊ですよ?」
俺は首を縦に振る。
ニ「死んでるんですよ?」
また俺は首を縦に振る。
ニ「あなた、おかしいですよ……」
自分で言っている言葉に傷ついて
また目に涙を浮かべている。
「そうかなぁ?
幽霊だろうが行く当てのない人を
ほっとけないし……
二宮さんの事が見えたのも
何かの縁かもしれないし……」
すると二宮さんが笑い出した。
「えっ?俺、変な事言った?」
ニ「変ですよ、幽霊に『縁』を
感じるなんて。面白い事を言いますね」
我ながら恥ずかしいことを言ってしまった。
でも、本当にそう思ったから……
二宮さんを助けたいって……
二「あの……」
「はっ、はい!」
ニ「名前、教えてもらっていいですか?」
「あっ、大野智です」
ニ「大野さん、本当にいいんですか?」
「なにが?」
ニ「ここにいても……」
また、目から涙がぽろぽろ落ちている。
「いいですよ。
いつまでもいてもらって大丈夫」
すると涙を手で拭いながら
ニ「成仏させない気ですか?」
「成仏しない気なの?」
ニ「だって、何で死んだか
分からないから……」
自分の名前も覚えてなかったんだ。
何で死んだかなんて知るはずもない。
「俺も色々調べてみるから……
それまでは家に居たらいいよ」
ニ「ありがとうございます。
不束な幽霊ではございますが
よろしくお願いいたします」
ものすごい勢いで頭を下げた。
「こちらこそよろしくお願いいたします」
俺も釣られて勢いよく頭を下げた。