素晴らしき世界
第31章 向かい合わせ
「…好き…だよ?」
「なんで、疑問系?」
欲しかった答えがあまりにも曖昧で、
思わず聞き返してしまう。
「そーいう、お前は?」
でもその答えを俺に求めて来た。
「うち?雅紀とはさ、形だけだから。
雅紀はさ、幼なじみなんだけど。
腐れ縁だよ。ただ、それだけ」
俺は事実を淡々と述べる事しか出来ない。
「へー」
「へーって。冷たっ!」
ちょっとふざけて見せたけど、
もう少し突っ込んだ話をしたかった。
きっと潤なら空気を読んでくれる。
「なんだよ?何?悩んでの?」
「悩むつーか…愛されてないんだなって毎日、
思うわけよ。それって結構しんどいなって…」
俺は少し嘘をついた。
この事は事実だけど、思っていたのは雅紀の方。
離婚届を突きつけられた時、
俺は『どうして?』って素直に疑問をぶつけた。
今考えたら、無神経すぎる言葉だった。
『俺を愛してくれないから』
そしてポロっと零れ落ちた一筋の涙。
その言葉が雅紀にとって全てだと思う。
「愛されてない?」
俺が雅紀に言った事を潤が俺に聞いてきた。
「結婚したら、何か変わるかなって期待してた。
ドキドキしたり…でも、何も…いつまでも俺達は
幼なじみなんだなって」
雅紀に言われたことをそのまま潤に返した。
「どうなりたかったの?」
今も出ない答えは……それだ。
「分からないんだ。今の俺達に何が足りなくて、
俺が何を望んでるのか」
でもそれは過去の事。
雅紀はもう足りないモノを
補うつもりはないし、
俺の足りなかったモノを
補って欲しいとも思っていない。
けれど雅紀は離婚届を渡してから何も言ってこない。
そして雅紀が家を出る気配もない。
正直……
強制でもなんでもいいから
書かせて欲しいって思う自分がいる。
雅紀は俺に何を望んでるんだ?
雅紀はどうしてあのギクシャクした
息の詰まる家に帰ってくるんだ?
「なんで、疑問系?」
欲しかった答えがあまりにも曖昧で、
思わず聞き返してしまう。
「そーいう、お前は?」
でもその答えを俺に求めて来た。
「うち?雅紀とはさ、形だけだから。
雅紀はさ、幼なじみなんだけど。
腐れ縁だよ。ただ、それだけ」
俺は事実を淡々と述べる事しか出来ない。
「へー」
「へーって。冷たっ!」
ちょっとふざけて見せたけど、
もう少し突っ込んだ話をしたかった。
きっと潤なら空気を読んでくれる。
「なんだよ?何?悩んでの?」
「悩むつーか…愛されてないんだなって毎日、
思うわけよ。それって結構しんどいなって…」
俺は少し嘘をついた。
この事は事実だけど、思っていたのは雅紀の方。
離婚届を突きつけられた時、
俺は『どうして?』って素直に疑問をぶつけた。
今考えたら、無神経すぎる言葉だった。
『俺を愛してくれないから』
そしてポロっと零れ落ちた一筋の涙。
その言葉が雅紀にとって全てだと思う。
「愛されてない?」
俺が雅紀に言った事を潤が俺に聞いてきた。
「結婚したら、何か変わるかなって期待してた。
ドキドキしたり…でも、何も…いつまでも俺達は
幼なじみなんだなって」
雅紀に言われたことをそのまま潤に返した。
「どうなりたかったの?」
今も出ない答えは……それだ。
「分からないんだ。今の俺達に何が足りなくて、
俺が何を望んでるのか」
でもそれは過去の事。
雅紀はもう足りないモノを
補うつもりはないし、
俺の足りなかったモノを
補って欲しいとも思っていない。
けれど雅紀は離婚届を渡してから何も言ってこない。
そして雅紀が家を出る気配もない。
正直……
強制でもなんでもいいから
書かせて欲しいって思う自分がいる。
雅紀は俺に何を望んでるんだ?
雅紀はどうしてあのギクシャクした
息の詰まる家に帰ってくるんだ?