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素晴らしき世界

第6章 不思議な同居人

どれくらい寝てたんだろう……

腕に抱かれ二宮さんは俺の傍にいる。

髪をかきあげて、額にキスを落とす。

すると、二宮さんは目を覚ました。

「寝れた?」

二「ぐっすり寝ちゃいました」

俺の顔を見上げ、にっこりと微笑む。

「ねぇ、二宮さん……」

二「なんですか?」

「キス……してもいい?」

二「えっ?」

ビックリしてベッドから起き上がった。

俺も起き上がってもう一度、
二宮さんを抱きしめた。

「俺、二宮さんが好きだ」

二「……もう、何言ってるんですか」

俺から逃れようと暴れるので
抱きしめた腕に力を入れた。

「俺、本気だから」

二「……俺、男ですよ?」

「知ってる」

二「俺、幽霊……ですよ?」

「知ってる」

二「俺、もうすぐ……きっ……消えちゃう……」

俺の胸の中で震えて泣いている。

「二宮さん、顔上げて」

首を横に何回も振る。

二宮さんの頬を
両手で包んで、上を向かせた。

涙でくしゃくしゃになった顔……

それさえも愛おしい。

こぼれ落ちてきた涙にそっとキスをした。

「二宮さんのすべてを俺にちょうだい」

二「大野さん……」

「もう一度、聞くよ?キス、してもいい?」

二宮さんはゆっくりと首を縦に振った。


一秒にも満たないキス……


また二宮さんの唇に触れる。

少しずつ、触れる時間が長くなる。


まだ、足りない……


逃れようとする
二宮さんの頭を手で押さえた。

息苦しくなったのか、少し口を開けた。

そこにするりと俺の舌を入れた。

二宮さんの口内でお互いの舌が絡み合う。

二「…ぅん…っ…んぁ…」

口から漏れる吐息と水音だけが響く。

唇を離すと、スーっと糸を引いたので
落ちないように慌てて二宮さんにキスをした。

二宮さんの唇は
どちらともわからない液で潤っていた。

俺は、舌でゆっくりと
唇をなぞってその液を舐め取った。

二「もう、何してるんですか」

頬がピンク染まり、
潤んだ瞳で見つめられた。


理性が飛びそうになる……


「言ったでしょ?
二宮さんのすべてをちょうだいって……」

二「わかりました。 その代わりに
僕のお願いも聞いてもらっていいですか?」

「もちろん」

二「大野さんの愛の証を
俺の身体に刻み込んでください……」

目から再び一筋の涙が零れ落ちた。

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