素晴らしき世界
第31章 向かい合わせ
「これ、何のケーキなの?」
洗面所から戻ってきたら、
ホットミルクとケーキがテーブルに並んでいた。
「レモンのムースケーキ。
あんまり甘くないから翔も好きだと思うよ」
「へー、じゃあ……食べよっか?」
「うん」
「「いただきまーす」」
2人でパクッとケーキを口に運ぶと、
レモンの酸味が広がった。
「これ、うまい」
珍しくパクパクと翔がケーキを食べ進める。
「ふふっ、良かった」
たまに友達と出かける事はあるけど
休みの時はこうやって2人で過ごす事が多い。
平日も互いに忙しかったりするけど
どこかで一緒の時間を作るようにしている。
あの時に出来なかった
『家族』の時間がこの家には流れている。
「あっ、もうすぐ雅紀の誕生日と結婚記念日だろ?」
「まだ1ヶ月以上先でしょ?」
「世間はさ、クリスマスイブだから
早めに予約しなきゃヤバいんだって……」
スマホをスクロールしながら調べ物をしている。
去年の誕生日に翔からプロポーズされた。
あからさまに緊張してて挙動不審だったから
『もしかして……』って期待してた。
でも実際に『結婚して下さい』って言われたら
本当に嬉しくって涙が止まらなかった。
ずっと自分からだった。
初めて翔から俺を求めてくれてた。
そして翔が俺と『家族』になる事、
ずっと一緒にいること望んでくれた。
「じゃあ……プロポーズしてくれた店とか?」
「えっ、あそこは……」
苦笑いを浮かべる翔に
俺はあの日の事を思い出してクスッと笑う。
翔はプロポーズする前に
俺に指輪ケースを差し出して見せた。
その時に肘が当たって
テーブルにあったグラスが倒れて水浸し。
慌てる翔に俺は
『変わんないね』っていって笑って見せた。
俺たちが別れを決めた日も……
そして俺たちの新たな始まりの日も……
目の前には俺がずーっと大好きな翔がいた。
洗面所から戻ってきたら、
ホットミルクとケーキがテーブルに並んでいた。
「レモンのムースケーキ。
あんまり甘くないから翔も好きだと思うよ」
「へー、じゃあ……食べよっか?」
「うん」
「「いただきまーす」」
2人でパクッとケーキを口に運ぶと、
レモンの酸味が広がった。
「これ、うまい」
珍しくパクパクと翔がケーキを食べ進める。
「ふふっ、良かった」
たまに友達と出かける事はあるけど
休みの時はこうやって2人で過ごす事が多い。
平日も互いに忙しかったりするけど
どこかで一緒の時間を作るようにしている。
あの時に出来なかった
『家族』の時間がこの家には流れている。
「あっ、もうすぐ雅紀の誕生日と結婚記念日だろ?」
「まだ1ヶ月以上先でしょ?」
「世間はさ、クリスマスイブだから
早めに予約しなきゃヤバいんだって……」
スマホをスクロールしながら調べ物をしている。
去年の誕生日に翔からプロポーズされた。
あからさまに緊張してて挙動不審だったから
『もしかして……』って期待してた。
でも実際に『結婚して下さい』って言われたら
本当に嬉しくって涙が止まらなかった。
ずっと自分からだった。
初めて翔から俺を求めてくれてた。
そして翔が俺と『家族』になる事、
ずっと一緒にいること望んでくれた。
「じゃあ……プロポーズしてくれた店とか?」
「えっ、あそこは……」
苦笑いを浮かべる翔に
俺はあの日の事を思い出してクスッと笑う。
翔はプロポーズする前に
俺に指輪ケースを差し出して見せた。
その時に肘が当たって
テーブルにあったグラスが倒れて水浸し。
慌てる翔に俺は
『変わんないね』っていって笑って見せた。
俺たちが別れを決めた日も……
そして俺たちの新たな始まりの日も……
目の前には俺がずーっと大好きな翔がいた。