素晴らしき世界
第31章 向かい合わせ
「でもやっぱり今年は家で過ごしたいな」
人が多いところより、
他人がいない場所で過ごしたいって思った。
だって……
初めて家族での誕生日と結婚記念日だもん。
「えっ?いいの?せっかくの記念日なのに」
スマホから視線を俺に向けた。
「うん、それじゃダメかな?」
「雅紀がいいなら俺も構わないよ。
じゃあ、料理をデリバリーしてパーティするか!」
「うん、それいいね」
「食事はそれでいいとして……
プレゼントは何が欲しい?」
「いいよ、プレゼントなんて」
「ちゃんと雅紀の欲しいものを買いたいんだ。
あっ、言っておくがサプライズは出来ないぞ」
ピシッと俺に宣言して見せる翔。
「えー、期待してるんだけど」
「勘弁してくれよ」
期待の目を向けると、
逃げるように俺から視線を外した。
じゃあ……俺のサプライスならどう?
「それに俺、もうプレゼント貰ってるから」
「えっ?」
「今日ね、松本さんのうちに行った時に
気分悪くなっちゃってね」
和也さんが用意してくれたケーキを食べたら、
また胃もたれを起こしてしまった。
「やっぱり病院に行った方が……」
俺を心配して伸ばした手に手を重ねた。
「行ってきたの。和也さんに勧められて……」
「で、どうだったんだ?
病名とか……わかったのか?」
「3か月……だって」
「……えっ?……えっ?」
俺の言葉の意味を理解しようと忙しなく瞳が揺れ動く。
「つわりだったみたい」
俺は優しく自分のお腹を撫でた。
まだ小さな赤ちゃんを愛おしむように……
「やった!雅紀、やったぁ!あっ…」
喜びで立ち上がった翔の腕が
マグカップに当たってホットミルクが零れる。
「もう、変わんないんだから」
いつもの様にそう言って笑うと
翔もいつもの様に苦笑いを浮かべた。
でも今日からは……
もう一言、追加するからね?
「パパになるんだからしっかりしてよね」
【end?】
人が多いところより、
他人がいない場所で過ごしたいって思った。
だって……
初めて家族での誕生日と結婚記念日だもん。
「えっ?いいの?せっかくの記念日なのに」
スマホから視線を俺に向けた。
「うん、それじゃダメかな?」
「雅紀がいいなら俺も構わないよ。
じゃあ、料理をデリバリーしてパーティするか!」
「うん、それいいね」
「食事はそれでいいとして……
プレゼントは何が欲しい?」
「いいよ、プレゼントなんて」
「ちゃんと雅紀の欲しいものを買いたいんだ。
あっ、言っておくがサプライズは出来ないぞ」
ピシッと俺に宣言して見せる翔。
「えー、期待してるんだけど」
「勘弁してくれよ」
期待の目を向けると、
逃げるように俺から視線を外した。
じゃあ……俺のサプライスならどう?
「それに俺、もうプレゼント貰ってるから」
「えっ?」
「今日ね、松本さんのうちに行った時に
気分悪くなっちゃってね」
和也さんが用意してくれたケーキを食べたら、
また胃もたれを起こしてしまった。
「やっぱり病院に行った方が……」
俺を心配して伸ばした手に手を重ねた。
「行ってきたの。和也さんに勧められて……」
「で、どうだったんだ?
病名とか……わかったのか?」
「3か月……だって」
「……えっ?……えっ?」
俺の言葉の意味を理解しようと忙しなく瞳が揺れ動く。
「つわりだったみたい」
俺は優しく自分のお腹を撫でた。
まだ小さな赤ちゃんを愛おしむように……
「やった!雅紀、やったぁ!あっ…」
喜びで立ち上がった翔の腕が
マグカップに当たってホットミルクが零れる。
「もう、変わんないんだから」
いつもの様にそう言って笑うと
翔もいつもの様に苦笑いを浮かべた。
でも今日からは……
もう一言、追加するからね?
「パパになるんだからしっかりしてよね」
【end?】