テキストサイズ

素晴らしき世界

第37章 キミのとなり

昔はお酒を飲めば『これからの嵐は……』
なんて熱く語って時には言い争いにもなった。

まぁ、若かったし……

お酒の力を借りないと
本音をぶつけられない部分もあったと思う。


でも今ではお酒の時に仕事の話をする事はない。

目指す先が決まっていれば、
それに向かって『嵐』としても
『個人』としても全力で活動していくだけ。


「ホント、胃カメラ辛かった……」

その時を思い出したのか、胸を擦る翔ちゃん。


今はもっぱら健康の話。


「俺は直腸検査の方が無理だな」

「あー、あれは嫌だね」

松潤の言葉にリーダーも激しく同意し、
俺もアソコの穴がキュッとなった。

「まぁ、いいじゃないですか。
今年も1年、健康だって事で……」

「ホント、何でニノが健康なのかが謎」

服の上から無防備なお腹をプニッと摘んでやった。

「止めろやー!」

ペチンと手を叩いて払い退けられる。

「嵐じゃなかったら廃人だな」

「おじさんに言われたくありませーん」

「どっちも廃人だな」

「俺もそう思う」

プハーっとビールを飲むリーダーとニノの姿を
余裕の表情で見つめる翔ちゃんと松潤。


トレーニングしている余裕なのかな?


「じゃあ、明日もライブあるし……
そろそろ解散しますか!」

徐に立ち上がる松潤。


そしてちゃんと体調管理しているあたりもね?


「明日も頑張りますかっ!」

「そうですね」

残ったビールを飲み切ると、
翔ちゃんもニノも立ち上がる。

「ふわぁ~、眠い……」

「ちゃんと歯磨きして寝なよ」

ベッドにダイブするリーダーに
翔ちゃんが声をかけると俺たちは部屋を出た。


昔はぶつかりながらも話す事が尽きなくて
時間が足りないって思ってたけど、
今はあっさりと解散の流れになる。

きっとそれはいい事なはず。


だけどちょっと……寂しかったりもする。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ