素晴らしき世界
第37章 キミのとなり
「俺は幸せ者だなぁ」
「何ですか、急に……」
「いや、そう思わない?」
「まぁ……そうですかね」
小首を傾げながらも
ビールを飲むのを止めない。
考える気……ないじゃん。
日々への感謝ってもんがないのか?
「だってさ、もし嵐じゃなかったら
こんなにたくさんの人に祝ってもらえないもん」
「……嵐じゃなかったらねぇ」
テーブルに飲み終わった缶を置くと、
背もたれにドーンと凭れる。
「考えた事ない?
もし嵐じゃなかったらなんて……」
「ないです」
即答、いや俺の言葉に
被せる勢いで返事するニノ。
なんか、それが無性に腹が立った。
「事務所に入ってなかったら、
嵐になることもなかったんだよ?
リーダーや翔ちゃん、松潤やニノにも
会うこともなかったよ?」
「それを考えてどうなるんですか?」
「何だよ、その言い方…っ」
「俺は『もしも』を考えないだけです」
俺にはニノの考えが理解できない。
こんなに恵まれた環境が
当たり前にあるんじゃない。
なんでそれが……
「過去を振り返る事はあります。
ただ『もしも』を考えても
その世界を見る事はないし……」
「でもさ……」
「その『もしも』に
今以上の幸せはありますか?」
ニノがキチンと座り直すと、
真剣な眼差しで俺を見た。
答えは簡単だ。
俺は首をゆっくり横に振った。
だって今俺はむちゃくちゃ幸せだもん。
『もしも』の世界にこんな幸せは絶対ない。
「『もしも』ってのは俺にとって
何かを後悔してるような気がするんです」
まっすぐ俺に向けていた瞳が揺れて、
スッと視線を反らした。
「俺は……」
嵐になった事を後悔した事はない。
もちろん今まで出会ってきた
たくさんの人たちにも……
「わかってます。相葉さんが
そんな風に思ってない事は……
すみません、ムキになって」
ばつが悪そうに頭を掻いた。
「何ですか、急に……」
「いや、そう思わない?」
「まぁ……そうですかね」
小首を傾げながらも
ビールを飲むのを止めない。
考える気……ないじゃん。
日々への感謝ってもんがないのか?
「だってさ、もし嵐じゃなかったら
こんなにたくさんの人に祝ってもらえないもん」
「……嵐じゃなかったらねぇ」
テーブルに飲み終わった缶を置くと、
背もたれにドーンと凭れる。
「考えた事ない?
もし嵐じゃなかったらなんて……」
「ないです」
即答、いや俺の言葉に
被せる勢いで返事するニノ。
なんか、それが無性に腹が立った。
「事務所に入ってなかったら、
嵐になることもなかったんだよ?
リーダーや翔ちゃん、松潤やニノにも
会うこともなかったよ?」
「それを考えてどうなるんですか?」
「何だよ、その言い方…っ」
「俺は『もしも』を考えないだけです」
俺にはニノの考えが理解できない。
こんなに恵まれた環境が
当たり前にあるんじゃない。
なんでそれが……
「過去を振り返る事はあります。
ただ『もしも』を考えても
その世界を見る事はないし……」
「でもさ……」
「その『もしも』に
今以上の幸せはありますか?」
ニノがキチンと座り直すと、
真剣な眼差しで俺を見た。
答えは簡単だ。
俺は首をゆっくり横に振った。
だって今俺はむちゃくちゃ幸せだもん。
『もしも』の世界にこんな幸せは絶対ない。
「『もしも』ってのは俺にとって
何かを後悔してるような気がするんです」
まっすぐ俺に向けていた瞳が揺れて、
スッと視線を反らした。
「俺は……」
嵐になった事を後悔した事はない。
もちろん今まで出会ってきた
たくさんの人たちにも……
「わかってます。相葉さんが
そんな風に思ってない事は……
すみません、ムキになって」
ばつが悪そうに頭を掻いた。